ISO 12006

ISO12006：建設分野における情報管理の国際規格

ISO12006は、国際標準化機構（ISO）によって策定された、建設分野における情報の分類と交換に関する国際規格です。この規格は、建設プロジェクトのライフサイクル全体を通して、情報の一貫性と相互運用性を確保することを目的としています。ISO12006は、主に以下の二つの部分から構成されています。

ISO12006-2：分類のための枠組み

ISO12006-2は、「建設工事に関する情報の組織化―第2部：分類のための枠組み」と題されており、情報分類の体系的な枠組みを提供します。この規格では、建設分野における情報を17の推奨分類テーブルを用いて整理することを提案しています。具体的には、エンティティ、要素、建設プロセス、管理プロセスといった概念を導入し、建設プロジェクトに関連するあらゆる活動や構造物を網羅的に分類しようとしています。

ISO12006-2は、2001年11月に初版が制定され、2015年に大幅な改訂が行われました。この規格は、実際のデータベースシステムの一部をカバーするものであり、全ての情報を網羅するデータベースを構築することは困難です。しかし、多くの国々における国家分類表の策定に大きな影響を与えてきました。ISO12006-2は、表形式で情報を表現することを特徴としています。

ISO12006-3：オブジェクト指向の情報交換のための枠組み

ISO12006-3は、「建設工事に関する情報の組織化―第3部：オブジェクト指向の情報交換のための枠組み」と題されており、オブジェクト指向の考え方に基づいた情報交換の枠組みを提供します。この規格は、ISO12006-2がテーブル形式で情報を表現するのに対し、クラス図を用いて情報を表現しようとする点が特徴です。ISO12006-3は、2007年に制定されました。

オブジェクト指向の枠組みを採用することで、より柔軟で拡張性の高い情報交換が可能になります。この規格は、建設プロジェクトにおける様々なオブジェクト（要素、プロセスなど）間の関係性を明確にし、情報の共有と相互運用性を向上させることを目指しています。

ISO12006の活用事例

buildingSMART Internationalが提供するデータ辞書「buildingSMART Data Dictionary（bSDD）」は、ISO12006-3だけでなく、ISO 23386とLinked Data standardsにも準拠しています。これは、国際的なデータ標準を活用し、建設分野における情報の相互運用性を高めるための重要な取り組みです。

結論

ISO12006は、建設分野における情報管理の標準化を推進する上で重要な役割を果たしています。ISO12006-2とISO12006-3は、それぞれ異なるアプローチで情報分類と交換の枠組みを提供していますが、両規格を組み合わせることで、より高度な情報管理と効率的なプロジェクト運営が可能になります。

出典

[ISO 1]]2006-2: [https://www.iso.org/standard/61753.html
[ISO 1]]2006-3: [https://www.iso.org/standard/74932.html

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