ISO 12100

ISO 12100とは

ISO 12100は、国際標準化機構（ISO）によって策定された、機械類の安全性を確保するための国際規格です。この規格は、機械の設計、製造、使用に関わるすべての人々が、安全な機械を開発し、運用するための基本的な枠組みを提供します。ISO 12100は、以下の2つの主要な規格から構成されています。

ISO 12100-1:2003: 機械の安全性に関する基本用語と方法論を定めた規格です。
ISO 12100-2:2003: 機械の安全性に関する技術原則を定めた規格です。

ISO 12100-1:2003（基本用語、方法論）

ISO 12100-1は、機械設計者向けに、安全な機械を設計するための基本的な用語を定義しています。具体的には、リスクアセスメントを実施するための方法論や、機械の安全性を評価するための基準などが含まれています。この規格は、機械がもたらす可能性のある危険を特定し、それらを適切に管理するための手順を明確にしています。

ISO 12100-2:2003（技術原則）

ISO 12100-2は、機械設計者向けに、機械の安全性を実現するための技術的な原則を規定しています。この規格は、機械設計における安全対策の実施方法や、安全機能を機械に組み込む際の具体的なアプローチなどを解説しています。ISO 12100-2に従うことで、機械の設計段階から安全性を考慮に入れた、より安全な機械の開発が可能になります。

ISO 12100:2010（統合規格）

2010年10月20日、ISO 12100は、従来のISO 12100-1:2003、ISO 12100-2:2003、およびISO 14121-1:2007の技術的内容を統合し、一つの規格として発表されました。この統合により、機械の安全性に関する規格がより包括的になり、関連規格間の整合性が向上しました。ISO 12100:2010は、機械の安全設計に関する包括的なガイドラインを提供し、より安全な機械の開発を支援しています。

関連出版物

対訳 ISO 12100-1/12100-2:2003 機械安全の国際規格 (ISBN 978-4-542-30623-3): この書籍は、ISO 12100の原規格を日本語に翻訳したものであり、規格の内容を理解する上で非常に役立ちます。

外部リンク

日本産業標準調査会：データベース-JISリスト B9700
* 日本産業標準調査会：データベース-廃止JIS規格リスト B9702

これらの外部リンクは、ISO 12100に関連するJIS規格の情報を参照するためのものです。規格の最新情報や詳細な内容を確認する際に役立ちます。

まとめ

ISO 12100は、機械の安全性を確保するための重要な国際規格です。機械設計者はもちろん、機械の製造や運用に関わるすべての人々にとって、この規格を理解し、適用することは不可欠です。ISO 12100に従うことで、より安全な機械の開発と運用が可能になり、機械による事故や災害を未然に防ぐことができます。

もう一度検索