ISO 2145

ISO 2145：文書における区分と小区分への番号付けに関する国際規格

ISO 2145は、文書の章、節、項などの区分を番号で示すための国際規格です。この規格は、原稿、書籍、学術論文、規格書など、あらゆる種類の文書に適用できます。文書構造を明確にし、読者が情報を容易に見つけられるようにすることを目的としています。

ISO 2145の概要

この規格の正式名称は、"Documentation - Numbering of divisions and subdivisions in written documents"であり、日本語では「ドキュメンテーション－文字文書の区分及び小区分への番号の割り振り」と訳されることがあります。

日本工業規格（JIS）では、ISO 2145に直接対応する規格は制定されていませんが、JIS Z 8301「規格票の様式及び作成方法」の「5.2.2 箇条」に類似した規定が存在します。

番号付けの方法

ISO 2145では、以下の原則に従って番号を付与します。

使用する数字: アラビア数字（1, 2, 3,...）のみを使用します。
主たる区分: 主たる区分（第1レベル）は、1から始まり、連続した番号で示します。
小区分: 主たる区分は、小区分（第2レベル以降）に分割できます。小区分も同様に連続した番号で示します。
レベルの区切り: 異なるレベルの小区分を示す数字の間は、ピリオド（.）で区切ります。
最後の数字: 最後のレベルの小区分を示す数字の後には、ピリオドは付けません。
導入部分: 0（ゼロ）は、序文や前書きなど、各レベルの最初の区分よりも前に配置される部分に割り当てることができます。

例:

以下は、ISO 2145に従って作成された文書の目次の例です。


0 序文
1 第1章
1.1 第1節
1.1.1 第1項
1.1.1.1 第1小項
1.2 第2節
1.2.1 第1項
2 第2章
2.1 第1節
...

文書内の引用方法

文書の他の箇所から区分・小区分の番号を引用する際は、以下のように記述します。

章の引用: ... in chapter 4 ... （... 4章において ...）
補題の引用: ... as lemma 3.4.27 shows ... （... 補題3.4.27に示すように ...）
段落の引用: ... the 3rd paragraph in 2.4.1.7 ... （... 2.4.1.7の第3段落 ...）

英語などの言語では、話し言葉でピリオドを省略することがあります。日本語の場合、ピリオドを「てん」と読むことが多いです。

"… in chapter four …"
"… as lemma three four twenty-seven shows …" （… 補題「さん てん よん てん にじゅうしち」に示すように …）
"… the third paragraph in two four one seven …" （… 「に てん よん てん いち てん なな」の第3段落 …）

ワープロソフトでの対応

LaTeX: LaTeXでは、章、節、図、表など、全ての数字の付け方がISO 2145に準拠しています。
Microsoft Word: 2003年現在、Microsoft Wordのすべてのバージョンでは、デフォルトで最後の数字の後にもピリオドが表示されます。これはISO 2145に準拠していませんが、ユーザー設定によってISO 2145に準拠するように変更可能です。

まとめ

ISO 2145は、文書の構造を明確にし、情報を効率的に伝えるための重要な規格です。この規格に従うことで、文書の可読性と理解度が向上し、国際的なコミュニケーションを円滑に進めることができます。

出典

International Standard ISO 2145:1978, Documentation — Numbering of divisions and subdivisions in written documents. International Organization for Standardization, Geneva.
British Standard BS 5848:1980, Specification for numbering of divisions and subdivisions in written documents (point-numbering).

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