ISO 41001

ISO 41001：ファシリティマネジメントシステムの国際規格

ISO 41001は、国際標準化機構（ISO）によって発行された、ファシリティマネジメントシステム（FM）に関する国際規格です。この規格は、組織がその活動を効果的かつ効率的にサポートするためのファシリティマネジメント体制を確立、実施、維持、改善するのに役立ちます。関連規格として、ISO 41011とISO 41012が存在します。

規格の概要

ISO 41001は、健康とウェルビーイング、ワークスペースの管理、維持管理、セキュリティ、環境問題、財務管理、サービス管理、資材調達など、幅広い分野を網羅しています。この規格は、世界各国の不動産管理におけるベストプラクティスを参考に策定されており、組織が自社の不動産管理を行うだけでなく、外部に委託する際の選定基準としても活用できます。策定はISO/TC267技術委員会が担当し、英国規格協会（BSI）が主導して2018年4月24日に発行されました。

ISO 41001は、共通基本構造であるHSL（High Level Structure）に基づいています。このHSLは、ISOマネジメントシステム規格（MSS）間の整合性を確保するために定められたもので、ISO 9001などの他のMSSと同じ共通構造で構成されています。その上で、ファシリティマネジメント分野固有の用語、定義、要求事項が追加されています。日本においては、2021年8月20日に日本産業規格JIS Q 41001:2021「ファシリティマネジメント―マネジメントシステム―要求事項及び利用の手引」が制定され、ISO 41001に対応しています。

規格の特徴

経営効率化とコアビジネスの支援: 従来の機能の一部を規格化するのではなく、ビジネスの成功を目的とした規格であり、経営効率化とコアビジネスの支援に重点を置いています。
持続可能な成長: グローバルな競争環境において、持続可能で生き残ることを目標としており、計画段階を重視したPDCAサイクルを採用しています。
統合されたFMサービス: ISO 41012の要求事項とも連携し、ソーシング戦略として、効率的な調達やFMサービスの提供を要求します。
緊急事態への対応: 自然災害やテロなどのリスクを踏まえ、事業継続と緊急事態への備えを重視し、非定型型業務（緊急事態）への監視をマネジメントレビューで要求しています。
情報管理とICTの活用: ICTの進歩を考慮し、情報管理の効率的な利用を要求しています。情報管理とICTの活用は、現代のファシリティマネジメントにおいて不可欠です。

適用範囲

ISO 41001は、以下の状況においてファシリティマネジメントシステムの要求事項を規定します。

組織が、自らの目標を支援する有効かつ効率的なファシリティマネジメントの提供を実証する必要がある場合。
組織が、関係者のニーズと適用可能な要求事項を満たすことを目指す場合。
組織が、グローバルな競争環境において持続可能であることを目指す場合。

本規格の要求事項は、すべての組織またはその部門に適用可能です。

注釈・出典

この文書は、ISO 41001の概要と特徴、適用範囲を説明したものです。

関連項目

ISO 9000
ISO 14000
標準化

外部リンク

一般財団法人日本規格協会
公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会

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