ISO/IEC 7812

ISO/IEC 7812: 磁気ストライプカードの国際規格

ISO/IEC 7812は、クレジットカードやキャッシュカードなど、磁気ストライプを持つ識別カードに関する国際規格です。1989年に最初の版が公開され、現在も世界中で広く利用されています。この規格は、カード番号の構成方法や発行手続きについて詳細に規定しており、カード業界の標準化に大きく貢献しています。

カード番号の構成

ISO/IEC 7812で規定されているカード番号は、最大19桁の数値で構成されます。この番号は、以下の4つの要素に分割することができます。

1. 主要産業識別子 (MII: Major Industry Identifier): カード番号の最初の1桁で、カードを使用する業界を表します。例えば、特定の値は金融機関を表し、他の値は特定の業界を示します。

2. 発行者識別番号 (IIN: Issuer Identifier Number): カード番号の先頭6桁で、カードを発行した機関を特定するための番号です。MIIを含みます。米国銀行協会 (ABA) などで登録されており、各発行機関に固有の番号が割り当てられています。IINを取得するには、プラスチックカードの発行、金融ネットワークの運営、またはプロセッサとしての役割を持つ団体である必要があります。その他の機関がIINを登録するには、ライセンス契約を締結する必要があります。

3. 口座番号: IINの次の桁から最終2桁目までの数値で、カードの所有者を特定するための番号です。最大12桁まで設定可能です。

4. チェックディジット: カード番号の最終桁で、番号の正確性を確認するためのチェックサムです。Luhnアルゴリズムを使用して計算され、ISO/IEC 7812-1の附属書Bにその計算方法が詳細に記載されています。このチェックディジットによって、入力ミスや不正な番号の使用を検出することができます。

MIIの特殊なケース

MIIの値が9の場合、その後の3桁はISO 3166-1の国コードを表します。これは、国際的なカード発行を容易にするための特殊なケースです。

ISO/IEC 7812の構成

ISO/IEC 7812は、大きく分けて以下の2つの部分から構成されています。

ISO/IEC 7812-1:2006: カード発行者の識別番号付けシステムについて規定
ISO/IEC 7812-2:2007: カードの申請および登録手順について規定

これらの規格は、カードの発行から利用までの過程におけるセキュリティと効率性を確保するために、重要な役割を果たしています。 規格への準拠によって、世界中でカードの相互運用性を高めることができ、国際的な取引を円滑に進めることができます。 また、セキュリティ上の脆弱性を減らすため、番号体系、発行プロセスの標準化が求められています。

まとめ

ISO/IEC 7812は、磁気ストライプカードの国際規格として、カード番号の構成、発行手続き、そしてセキュリティ確保に重要な役割を果たしています。この規格は、世界中で広く利用されており、クレジットカードやキャッシュカードなどの普及に大きく貢献しています。今後も、技術革新やセキュリティの強化に伴い、この規格は進化していくものと考えられます。

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