ISight

iSight（アイサイト）とは

iSightは、Apple Computerが開発・製品化したウェブカメラです。当初はIIDC（IEEE1394規格）に準拠した外部接続型のカメラとして登場しましたが、後にMacBookやiMacなどの製品に内蔵されるようになりました。

歴史と概要

2003年6月24日に発表されたiSightは、当初、Appleのノートブックやディスプレイ一体型デスクトップとFireWireで接続する外部カメラとして販売されました。ディスプレイ上部に装着する形で利用され、そのデザイン性も高く評価されました。その後、MacBook、MacBook Pro、iMacなどの製品に内蔵されるようになり、USB 2.0接続で利用されるようになりました。

iSightは、Appleのビデオ会議クライアントであるiChat AVのために開発されたという背景があります。iMovie 4以降のバージョンでは、iSightから取り込んだ映像を加工することができ、Photo BoothではiSightで撮影した画像を加工することが可能です。これらのソフトウェアとの連携により、iSightは単なるウェブカメラ以上の機能を持つようになりました。

FireWire接続型iSightの仕様

FireWireで接続するiSightは、640×480ピクセル（約31万画素相当）のCCDセンサーを搭載し、秒間30フレームの映像を撮影できました。筐体はアルミニウム合金製で、当時市販されていたウェブカメラ製品の中では、高機能・高級な部類に属していました。デザイン面でも優れた製品であり、Apple製品らしいスタイリッシュな外観も魅力の一つでした。

内蔵型iSightの進化

2007年モデルのiMacやMacBook Proには、約130万画素のiSightが内蔵された機種が登場しました。これにより、より高画質の映像を撮影できるようになりました。しかし、2010年モデルのMacBook Airでは「FaceTimeカメラ」、2011年モデルのMacBook Proでは「FaceTime HDカメラ」と名称が変更され、iSightの名称は使われなくなりました。これは、FaceTimeというビデオ通話サービスが普及したことに伴い、カメラの役割がより明確になったためと考えられます。

動作環境

iSightはmacOSのMac OS X v10.2.5以上で動作するほか、Boot Campを使用することで、インテルプロセッサを搭載したApple製品上のWindows XP、Vista、7でも動作します。ただし、通常のPCでは、FireWire接続のiSightは「1394 Desktop Video Camera」と認識されるものの、適切なドライバーがないため、動作が制限されることがあります。一部のサードパーティ製ドライバー（ユニブレインなど）を利用することで、機能を最大限に活用できる場合があります。

オープンソースによる対応

iSightはIIDCに準拠した仕様であるため、libdc1394を利用することで、Linuxなどのオープンソース系オペレーティングシステム上でも利用できます。また、Corianderなどのカメラユーティリティも存在しており、iSightの機能をオープンソース環境でも活用することができます。これにより、iSightの利用範囲はApple製品だけでなく、より広い環境にまで広がりました。

まとめ

iSightは、Appleが開発した高機能なウェブカメラであり、初期のFireWire接続型から、MacBookやiMacへの内蔵型へと進化を遂げました。ビデオ会議や映像編集、画像加工など、様々な用途で利用され、Apple製品のユーザーエクスペリエンス向上に大きく貢献しました。また、オープンソース環境での利用も可能であり、幅広いユーザーに利用され続けています。

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