ITIS

ITIS（統合分類学情報システム）

ITISは、米国連邦政府の取り組みとして設立された統合分類学情報システムであり、主にスミソニアン博物館を含む様々な機関が関与しています。このシステムは、北米大陸の生物の分類情報を集約し、信頼性の高いデータベースを構築することを目的として1996年に設立されました。当初はアメリカ国内の生物種のデータに重点を置いていましたが、現在ではカナダやメキシコを含む他国も参加し、さらにはブラジルも加わるなど、国際的な範囲へと広がっています。

概要

ITISは、科学的に特定された生物種名に関して広範なデータを提供しています。2023年現在、ITISには約54万種にのぼる学名、一般名、シノニムが登録されています。主に北米に分布する生物に焦点を当てていますが、脊椎動物や一部の無脊椎動物については北米外の種も含まれています。特に、外来種や絶滅の危機に瀕した両生類、渡り鳥、魚類の捕獲量などに関するデータを網羅し、これらの問題に対する科学的なアクセスが可能となっています。

データベースは、各種の系統分類上の固有番号（Taxonomic Serial Number: TSN）を用いることで生物を体系的に整理しています。TSNは学名の命名者や日付、分布情報、関連文献等を含む標準的な学名を形成しています。また、一般名は北中米の公用語（英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語）にて利用可能です。

データベースの構築

2000年からITISとその協力機関は、全世界の生物種に関する索引カタログの作成に着手しました。このプロジェクトは、生物種のチェックリストを2011年までに1800万種に達成することを目指しています。2007年3月には、主要な生物種を中心とした100万種の収録が完了しました。

生物の分類は固定されたものではなく、多くの分類法は常に進化し、科学的な議論の対象となっています。新しい研究が発表され、それに基づいて系統分類学に関する共通理解が得られた際には、ITISのデータベースも更新されるプロセスを経ています。そのため、ITIS内の記録の信頼性については著者や資料の一次情報への依存が強いです。文献は、できる限り厳密に点検されることが求められています。

関係機関

ITISの運営には、様々なアメリカ政府機関や国際機関が参加しています。

アメリカの関係機関

• - アメリカ海洋大気庁（NOAA）
• - アメリカ合衆国魚類野生生物局（USFWS）
• - 環境保護庁（EPA）
• - 国立公園局（NPS）
• - 農務省（USDA）
• - 地質調査所（USGS）
• - スミソニアン博物館
• - ネイチャーサーブ（NPO）

カナダの関係機関

• - カナダ農務省

メキシコの関係機関

• - 生物多様性に関する国家委員会（CONABIO）

ITISは国際的な生物種情報の共有を促進し、各国の生物多様性を理解する手助けをするための重要なプラットフォームとして進化しています。

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