ITTFワールドツアー

ITTFワールドツアー：世界を舞台にした卓球の戦いの歴史

ITTFワールドツアーは、国際卓球連盟（ITTF）が主催する、世界各地で開催される卓球の国際オープン大会シリーズです。1996年にITTFプロツアーとして始まり、2012年に現在の名称に変更されました。世界ランキングに大きく影響を与えることから、世界中のトップ選手たちがしのぎを削る、卓球界における重要な大会シリーズとなっています。

大会概要：多様な種目と進化するシステム

年間十数大会が開催され、男女シングルス、男女ダブルス、そして2018年から導入された混合ダブルスの5種目が行われます。過去には団体戦やU21シングルスなども行われていましたが、現在はこれらの種目は廃止され、より個人戦に焦点が当てられています。

各大会で上位に入賞した選手はポイントを獲得し、ワールドツアースタンディング（世界ランキングとは異なる独自のランキング）が決定されます。このランキングの上位者が、年末に行われるグランドファイナルへの出場権を獲得します。

大会の格付けは、かつてスーパーシリーズ、メジャーシリーズ、チャレンジシリーズの3段階がありましたが、2017年からはプラチナイベントとレギュラーイベントに再編され、チャレンジシリーズはITTFチャレンジとして独立しました。さらに、2019年にはプラチナイベントよりも上位の「T2ダイヤモンド」も創設され、より複雑で多様な大会構成へと進化しています。2020年には、ITTFワールドツアーは「WTT（ワールド・テーブル・テニス）」へと移行し、商業化を推進する新たな体制へと移行しています。

グランドファイナル：年間王者を決める頂上決戦

ワールドツアースタンディングの上位選手たちが集結するグランドファイナルは、年間王者を決める重要な大会です。出場資格は、各種目において一定の大会数に参加した上位選手に与えられます。シングルスは5大会以上、ダブルスは同一ペアで4大会以上、そして過去にはU21も存在していました。出場枠は、各種目16名（シングルス）、8組（ダブルス）、8名（U21）と、開催国枠が加えられます。

2018年にはU21の種目が廃止され、混合ダブルスが追加されました。これは、大会の構成をより多様化し、観客の関心を高めるための試みと見られます。

大会開催地と放映情報

ワールドツアーは世界各地で開催され、多様な文化に触れる機会を提供しています。各大会の開催地は、ITTF公式サイトなどで確認できます。

試合の放映に関しては、ITTFの動画配信サイトITTVやLaola1.tvなどでインターネット配信が行われています。日本では、テレビ東京、BSジャパン、J SPORTSが独自の実況解説付きで放送しており、グランドファイナルはDAZNでも放送されるなど、日本国内でも様々なメディアを通じて観戦することができます。

まとめ：進化を続ける卓球の国際大会

ITTFワールドツアーは、1996年の開始以来、常に進化を続け、世界最高峰の卓球選手たちが競い合う舞台となっています。世界ランキングへの影響、多様な種目、そして世界中の放映により、卓球界における重要な大会シリーズとしての地位を確立しています。今後、WTTシリーズの展開とともに、さらにその規模と影響力は拡大していくと予想されます。

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