IT/イット (テレビドラマ)

『IT／イット』について

『IT／イット』（原題: It）は、1990年にアメリカのABCで放送されたホラードラマシリーズで、スティーヴン・キングの1986年に発表された小説を基にした作品です。監督はトミー・リー・ウォーレスが担当し、全2部構成で制作されました。放送当時、この作品は3,000万人以上の視聴者を集め、ABCにとっての最大の成功作となりました。さらにエミー賞を2部門、エディ賞を1部門、ユース・イン・フィルム賞を1部門受賞するなど、多くの賞にノミネートされ、エディ賞を2部門で受賞するという偉業を成し遂げています。

あらすじ

物語は、1990年のメイン州デリーを舞台に、子供を狙った連続殺人事件が発生するところから始まります。主人公のマイクは、事件現場の近くで、存在しないはずの男の子の古い写真を発見します。この写真によって、彼は自らの子供時代に「IT」と呼んで恐れていた不気味なピエロ、ペニーワイズが関与していることを確信します。恐怖と意気込みを胸に、マイクはかつての仲間との約束を思い出し、27年ぶりの再会を果たすことになります。

ペニーワイズの存在

ペニーワイズはただのピエロではなく、人間の恐怖や弱さを利用する存在として描かれています。彼は特定の人物にしか姿を見せず、その能力も一般の人間には認識できません。彼は物体を自在に操ったり、相手の恐怖を具現化した姿に擬態したりすることができます。また、血を含んだ風船を空に飛ばす様子は、彼の正体を象徴的に表しています。これらの要素は、「三びきのやぎのがらがらどん」といったおとぎ話や、実在の連続殺人犯ジョン・ゲイシーによる影響を受けているとされています。

文化への影響

放送後、この作品は多くの人々に影響を与えました。特に、ペニーワイズのキャラクターが伝える恐怖は実在する「道化恐怖症(月の恐怖症)」を助長することになり、ピエロという存在が多くの人にとって恐れの象徴となったのです。1990年に一度映像化されたこの物語は、27年後の2017年に劇場版として新たな形で蘇りました。これは、ペニーワイズが27年ごとに人間の前に現れるという設定にもとづいたものであり、この時代を超えた恐怖の連鎖を示しています。

キャスト

この作品の視覚的な魅力を支えるキャストも重要です。1994年にはテレビ東京で再編集された版が放送され、『恐怖の殺人ターゲット・復讐の悪魔』と題されました。また、2002年にはNHK-BS2で前後編に分けて『スティーブン・キングの イット』というタイトルで放送されるなど、日本でも高い人気を誇ります。

まとめ

『IT／イット』は、スティーヴン・キングの名作をベースにした恐怖の物語であり、ペニーワイズというキャラクターを通じて人間の内面に潜む恐怖を描き出しています。このシリーズは、多くの観客に衝撃を与え、今もなお恐怖の象徴として記憶され続けているのです。

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