In the pocket (Mr.Childrenの曲)

in the pocket：Mr.Childrenの新たな代表曲

2024年8月30日、Mr.Childrenの11作目となる配信限定シングル『in the pocket』がリリースされました。東宝配給映画『きみの色』の主題歌として書き下ろされたこの楽曲は、公開日と同時に配信され、大きな話題を呼びました。

音楽性と制作背景

『in the pocket』は、映画『きみの色』の世界観を深く理解した上で制作されました。ボーカルの桜井和寿氏は、脚本を読んだ後、主題歌の打ち合わせ前に楽曲を完成させていたというエピソードが明かされています。楽曲制作においては、映画の音楽監督を務めたagraphの牛尾憲輔氏が共同編曲として参加。牛尾氏の担当は鍵盤楽器で、映画『聲の形』のサウンドトラックへのMr.Childrenメンバーの感銘が、今回のコラボレーションに繋がったとのことです。特にイントロの鐘の音は牛尾氏のアイデアで、映画のモデル地で収録された教会の鐘の音を使用することで、映画本編とエンドロールを繋ぐ音像が創り出されています。マスタリングはニューヨークのSterling Soundのジョー・ラポルタ氏が担当しました。

桜井和寿氏は楽曲について、「抱き上げるでも、背中を押すでもなく、無理に力を加えることなく、主人公たちにはその繊細さのまま、その柔さのまま、しなやかに強く飛び立って欲しい。そんな歌でありたいと、願いを込めてレコーディングさせてもらった」とコメント。楽曲全体から、登場人物への深い共感と、力強いエールが感じられます。

リリースとプロモーション

前作『記憶の旅人』から約4か月ぶりのリリースとなった『in the pocket』。映画『きみの色』の公開日に合わせて配信されたこのシングルは、アートディレクターに森本千絵氏を迎え、高いクオリティで制作されています。

批評家の評価

音楽ライターの高橋美穂氏は、「歌詞が活きるシンプルなバンドサウンド」「Mr.Childrenの血肉を感じる音と言葉が詰まっている」と高く評価。特に「《どこかきっと削り取られた／大胆で不恰好な大事なモノがある》ことをわかっている彼らならではなフレーズの宝庫。大人になり、成功を積み重ねても、この「視点」を忘れていないMr.Childrenの尊さが伝わってくる楽曲だ」と、楽曲に込められたメッセージと、アーティストの姿勢に注目しています。

チャート成績

『in the pocket』は、初週で約1.7万ダウンロードを記録。オリコン週間デジタルシングルチャート、Billboard JAPAN週間ダウンロードソングチャートの両方で初登場1位を獲得しました。これは、Mr.Childrenの配信限定シングルとしては、9th配信限定シングル『永遠』以来、約2年半ぶりの快挙です。

映画監督からのコメント

映画『きみの色』の監督を務めた山田尚子氏は、楽曲を初めて聴いた時の印象として「まごうことなきMr.Childrenだ」と述べています。「『きみの色』という作品のために書き下ろしてくださったっていうことも、なかなか脳みそに伝わってこないぐらいびっくりしました」「本当にこの作品に向けて桜井さんの目線で、彼ら（登場人物たち）を見て考えて書いてくださった曲なんだというのがじわじわ沁み込んできて感激しました」と、楽曲への深い感銘を語っています。

まとめ

『in the pocket』は、Mr.Childrenの音楽性と映画『きみの色』の世界観が見事に融合した、感動的な楽曲です。シンプルながらも奥深い歌詞、そして力強いサウンドは、多くのリスナーの心に響き、大きな成功を収めました。この楽曲は、Mr.Childrenの代表曲として、長く愛され続けることでしょう。

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