Indexed Database API

Indexed Database API（Indexed DB）は、ウェブブラウザ内で構造化されたデータを効率的に保存・取得するためのAPIです。W3Cによって標準化されており、ウェブアプリケーションがクライアントサイドで大量のデータを扱う際に重要な役割を果たします。元々は2009年にオラクルによって提案され、その後、ブラウザの標準機能として実装が進められてきました。

Indexed DB の特徴

Indexed DBは、従来のウェブストレージ（キー・バリュー型）と比較して、より高度な機能を提供します。主な特徴は以下の通りです。

インデックス機能: データの検索を効率化するためのインデックスを定義できます。これにより、特定の条件でデータを高速に絞り込むことが可能になります。
トランザクション処理: 複数のデータ操作をまとめて処理するトランザクション機能をサポートしています。これにより、データの整合性を保ちながら安全に操作できます。
オブジェクトストレージ: 単純なキー・バリュー型ではなく、複雑な構造を持つオブジェクトをそのまま保存できます。

これらの特徴から、Indexed DBは、ブラウザのブックマークやメールクライアントなどの機能、あるいはウェブアプリケーションのデータ保存など、幅広い用途に利用されています。

実装状況

主要なウェブブラウザにおけるIndexed DBの実装状況は以下の通りです。

Internet Explorer: 10から部分的に実装。Microsoft Edgeでは、Internet Explorer 10の機能を改善したものが採用されました。
Mozilla Firefox: 4から部分的に実装。Web SQL Databaseは実装せず、Indexed DBを推奨しています。
Google Chrome: 11から部分的に実装。
Opera: ChromiumベースとなったOpera 15から実装。
Safari: iOS 8.0およびOS X 10.10 Yosemiteから実装。

これらの実装状況からも分かる通り、Indexed DBは多くの主要ブラウザでサポートされており、ウェブアプリケーション開発において重要な技術となっています。

Web SQL Database との違い

Indexed DBが標準化される以前には、Web SQL DatabaseというSQLiteをベースにしたクライアントサイドデータベースも存在していました。しかし、W3Cは2010年にWeb SQL Databaseを廃止仕様とし、Indexed DBを推奨しています。

Web SQL Databaseが廃止された主な理由は、仕様が特定のデータベース（SQLite）に依存しているため、中立性に欠けるという点です。Firefoxの開発者は、この点を問題視し、Web SQL Databaseを実装せず、Indexed DBの普及を推進しています。

補足

Indexed DBのオープンソースの参照実装も存在し、テストや実験に利用されています。また、W3Cによって仕様は継続的に更新されており、より便利で効率的なデータベースAPIを目指して進化を続けています。

まとめ

Indexed DBは、ウェブブラウザで利用できる強力なクライアントサイドデータベースAPIであり、ウェブアプリケーションの機能強化に大きく貢献しています。ウェブ開発者は、Indexed DBを適切に活用することで、ユーザー体験を向上させることができます。

関連項目

HTML5

外部リンク

W3C - Indexed Database API
Indexed Database API 3.0 （日本語訳）
Beyond HTML5: Database APIs and the Road to IndexedDB
* IndexedDB API playground and examples

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