Intel Quark

Intel Quark (インテル クォーク)とは

Intel Quarkは、インテルが開発した32ビットx86アーキテクチャのSoC（System-on-a-Chip）です。小型で低消費電力を特徴とし、ウェアラブルコンピュータなどの組み込み機器をターゲットとしています。Intel Atomプロセッサよりもさらに低い消費電力で動作するように設計されています。

アーキテクチャ

CPUコアは、Intel DX4をベースにしており、Pentium(P54C/i586)で採用されていた命令セットの一部を追加した構成となっています。MMXやSSEなどのSIMD命令セットには対応していません。組み込みOSでの使用に特化しており、汎用的なデスクトップPC向けのプロセッサとは異なる設計思想で作られています。2013年に開催されたインテル・デベロッパー・フォーラムで初めて発表されました。

製品ラインナップ

Xシリーズ

2013年10月3日に発表されたXシリーズは、32nmプロセスルールで製造されています。開発コード名は「Clanton」で、MMXやSSEには対応していません。このシリーズの代表的な製品であるQuark X1000は、256MBのメモリを搭載したArduino互換の開発ボード「Intel Galileo」に採用されました。

最初のQuark製品であるシングルコア32nm X1000 SoCは、最大400MHzのクロック周波数で動作します。PCIe、UART、I2C、Fast Ethernet、USB 2.0、SDIO、PMC、GPIOなど、多様なインターフェースを備えており、512KBの組み込みSRAMとDDR3メモリーコントローラーがチップに統合されています。

Dシリーズ

Dシリーズに関する具体的な情報は提供されていません。

SEシリーズ

2015年1月6日に発表されたSEシリーズは、Intel Curieモジュールに搭載されています。このSoCは、384KBのフラッシュメモリ、80KBのSRAM、6軸モーションセンサー（加速度計とジャイロスコープ）、Bluetooth Low Energy機能を内蔵しています。

SEシリーズは、Arduino 101ボードにも搭載されており、このボードでのスペックは以下の通りです。

CPU: 32MHz
フラッシュメモリ: ユーザー利用可能領域は196KB
SRAM: ユーザー利用可能領域は24KB
OS: ViperOS RTOS (インテルの子会社であるウインドリバー・システムズが開発)

Intel Edisonとの関係

Intel Edisonは、SDメモリーカードサイズにシステム全体を収めることを目指して開発されたプラットフォームで、2014年9月に発表されました。22nmプロセスルールを採用し、WiFiやBluetooth機能を内蔵しています。当初はIntel Quarkを使用する予定でしたが、最終的にはIntel Atomが採用されました。Quarkが採用されていた場合、システムの消費電力は1W以下に抑えられる予定でした。

その他

Intel Quarkの最終受注期限は2019年7月19日、最終出荷期限は2022年7月17日でした。

関連事項

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