Intel Edison

Intel Edisonは、インテルが開発したIoT（Internet of Things）デバイス向けの小型シングルボードコンピュータです。その特徴は、SDカードほどの小さなサイズに、デュアルコアのIntel Atomプロセッサ（500MHz駆動）、1GBのメモリ、そしてBluetoothとWi-Fiによる無線通信機能を搭載している点にあります。

2014年1月に開催されたCES（Consumer Electronics Show）で発表され、当時のインテルのCEOであったブライアン・クルザニッチ氏が、Intel Edisonを使用して開発された乳幼児監視装置（Nursery2.0）を実演しました。これは、Edisonの応用例を示すものでした。さらに、開発言語としてWolframとMathematicaがIntel Edison上で利用可能であること、そしてLinuxオペレーティングシステムが動作することも発表されました。これにより、開発者は多様なプログラミング環境とOSをEdison上で利用できることが示されました。

当初、メインCPUにはIntel Quark（400MHz駆動）が採用される予定でしたが、最終的にはIntel Atom（500MHz駆動）に変更されました。そして、2014年9月9日に正式に発売されました。Edisonの機能を拡張するために、各種I/O（入出力）を備えた「Intel Edison kit for Arduino」や「Intel Edison breakout ボード」といった周辺機器も同時に発売されました。これにより、Edisonは様々なセンサーやアクチュエータと接続しやすくなり、IoTデバイスの開発が容易になりました。

しかし、残念ながら、Intel Edisonは2017年に「Intel Galileo」、「Intel Joule」といった他のインテルの開発ボードとともに、販売およびサポートが終了することが発表されました。これは、市場の変化やインテルの戦略転換によるものと考えられます。

関連技術・製品

シングルボードコンピュータ：Intel Edisonのような小型で独立して動作するコンピュータの総称。
IoT：Internet of Things（モノのインターネット）の略。様々なデバイスがインターネットに接続され、相互に通信し、データを交換する概念。
Intel Quark：インテルが開発した低消費電力のマイクロコントローラー。
Intel Galileo：インテルが開発したArduino互換のシングルボードコンピュータ。
Intel Atom：インテルが開発した低消費電力のx86系マイクロプロセッサ。
Intel Joule：インテルが開発した高性能なシングルボードコンピュータ。

Edisonは短命に終わりましたが、その小型さと性能は、当時のIoTデバイス開発に大きな影響を与えました。現在では、より高性能で低価格な代替となるシングルボードコンピュータが登場していますが、Edisonが果たした役割は小さくありません。

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