Interface Builder

Interface Builderは、Appleが提供するmacOS向けのソフトウェア開発ツールXcodeに統合されたGUI開発ツールです。主にCocoaおよびCarbonフレームワークを用いたアプリケーションのインターフェース設計に利用されます。

歴史

Interface Builderの起源は、1988年にジャン＝マリー・ヒューロットによって開発されたNeXTStepの開発環境に遡ります。彼が開発したMacintosh向けのインターフェース設計ソフトSOS Interfaceが前身とされています。その後、Interface Builderはプロジェクト管理とコード編集を行うProject Builderと役割を分担し、開発が続けられました。Mac OS Xへの移植後は、Cocoa、Carbon両フレームワークに対応した総合リソース編集ツールとして、WebObjectsのインターフェース設計などにも利用されました。

実用的なRAD（Rapid Application Development）ツールとしては初期に登場した部類に属し、DelphiやVisual Basicといった後続のツールに影響を与えました。Project BuilderはMac OS X v10.3以降でXcodeに移行しましたが、Interface Builderの役割は変わらず、GUI開発を支援し続けました。Xcode 4.0からはXcodeに完全に統合され、IDEの一部として利用されています。

機能

Interface Builderは、GUIコンポーネントをドラッグ＆ドロップで配置できるRADツールです。ボタン、メニュー、ウィンドウなどの基本的なコンポーネントに加え、テキストフィールド、データテーブル、スライダー、ポップアップメニューなど、多様なGUIコンポーネントが利用可能です。これらのコンポーネントをパレットからドラッグし、インターフェース上に配置することで、視覚的にインターフェースを構築できます。

特徴

Interface Builder単体ではソフトウェアを開発することはできません。リソースエディタとしての側面を持ちますが、GUIの単体テスト機能、クラス設計やコード生成機能、自作コンポーネントを組み込めるパレット機能など、プロトタイピングツールとしての側面も持ち合わせています。Interface Builderで作成された.nib（または.xib）ファイルは、単なるリソース情報ではなく、実際に動作するオブジェクトをシリアライズしたものです。

互換ソフト

GNUstep環境には、Interface BuilderのクローンであるGormが存在します。

Interface Builderは、GUI開発の効率化に貢献する強力なツールとして、macOSアプリケーション開発において重要な役割を果たしています。

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