Internet Explorer 1

Internet Explorer 1 (IE1) について

Internet Explorer 1（以下IE1）は、マイクロソフトが1995年8月24日に公開したWebブラウザであり、Internet Explorerファミリーの最初のバージョンです。一般的には「IE1」や「MSIE1」という略称で知られています。このブラウザは、Windows 95の拡張ソフトウェアである「Microsoft Plus! for Windows 95」に同梱されていました。

概要

IE1は、マイクロソフトがWindows 95の機能を拡張するために提供した「Plus! for Windows 95」の一部としてリリースされました。しかし、この初期バージョンは機能が非常に限られており、特にHTMLの表組み（テーブル）を正しく表示することができませんでした。そのため、当時のユーザーからはほとんど利用されませんでした。IEチームは開発当初、わずか6人程度の小規模なチームでスタートしました。

1996年にリリースされたIE1.5では、簡単なHTMLテーブル要素に対応しましたが、それでもなお機能は限定的でした。

開発の経緯

IE1の開発は、NCSA MosaicというWebブラウザをベースに行われました。マイクロソフトはSpyglassからライセンスを受けてNCSA Mosaicを基にしたブラウザを開発しました。そのため、IE1のレンダリングエンジンはSpyglass製のものを使用しています。

マイクロソフトはIE1を「Microsoft Plus! for Windows 95」に無料で同梱し、この行為が後にSpyglassとの間で法的な争いを生む原因となりました。具体的には、マイクロソフトがSpyglassにライセンス料を支払わずにIE1を配布したとして、1997年1月22日に米国で訴訟が起こされました。この訴訟は、マイクロソフトがSpyglassに800万ドルを支払うことで和解しました。

機能

IE1は、当時としては珍しく手動インストールに代わるインストールルーチンを搭載していました。これにより、ユーザーはより簡単にブラウザをインストールすることができました。

その他

IE1のバージョンは、Windows 95の内部バージョンと同じ「4.40.425」という名前を持ち、ユーザーエージェント文字列も他のInternet Explorerとは異なり、「Microsoft Internet Explorer/4.40.425 (Windows 95)」を名乗っていました。これは、IE1がどのバージョンのWindowsで動作していても、ユーザーエージェントは常に「Windows 95」を返していたことを意味します。

まとめ

IE1は、Internet Explorerシリーズの最初のバージョンとして、その後のWebブラウザの歴史において重要な役割を果たしました。機能は限定的でしたが、その存在は、マイクロソフトがWebブラウザ市場に参入する足がかりとなりました。しかしながら、その開発過程では訴訟問題が発生し、技術的な面でも未熟な部分が多くありました。これらの経験は、後のInternet Explorerの開発に活かされることになります。

脚注

Spyglassからのライセンスに基づき開発
Microsoft Plus! for Windows 95に同梱
表組み（テーブル）非対応
インストールルーチン搭載

外部リンク

Internet Explorer ブログ
Internet Explorer 開発チームのブログ(英語)
* Internet Explorer の歴史(英語)

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