Internet Speculative Fiction Database

Internet Speculative Fiction Database (ISFDB)

ISFDBは、サイエンス・フィクション、ファンタジー、ホラーといったジャンルの小説に関する包括的な書誌情報を提供するデータベースです。1995年に設立され、ボランティアによって運営されています。データベースとウィキは誰でも編集できる仕組みが整っており、ユーザーが自ら情報の更新や追加を行うことが可能です。このオープンなアクセス形式により、ISFDBは常に新しい情報に更新され続けています。

データはクリエイティブ・コモンズライセンスのもとで共有され、ウィキペディアとの双方向リンク機能も搭載されています。これは、ユーザーがデータを他のプロジェクトやプラットフォーム（Freebaseなど）で再利用できることを意味します。ISFDBは単なる書誌情報データベースにとどまらず、作家や作品、出版社に関する簡易な歴史や伝記情報も提供しています。

データベース内では、作家、長編小説、短編小説、出版社、賞、雑誌について詳細な索引がつけられています。さらに、作家のペンネームや作品シリーズ名、アートワークの著者などもサポートしており、関連する伝記情報と関連付けられています。これにより、研究者やファンは執筆者だけでなく、作品や出版の背景も探ることができます。現在、ISFDBは書誌情報の正確性向上を目指しており、すべてのスペキュレイティブ・フィクションを網羅することを目指しています。

過去のデータベースとしての評判も高く、2005年にはWooden Rocket Awardで最優秀辞書サイト部門を受賞しました。また、著名な作家や評論家からも評価されており、1998年にはコリイ・ドクトロウが「SF的事柄についての最良のオールラウンドのガイド」と称賛しています。

ISFDBはその設立から、様々な歴史的背景を持っています。1984年から1994年にかけて、ネットニュースのグループであったrec.arts.sf.writtenに投稿された書誌情報が、今のISFDBの基盤となりました。1995年にアル・ヴォン・ラフとAhasuerusという二人のユニークなプロジェクトからISFDBの構築が始まりました。最初のバージョンは1995年9月に完成し、1996年1月にはURLが公開されました。

初期の頃はISPの制限もありましたが、1997年にSF Siteへと移転。その後、サーバーの増加に伴い様々な問題が発生し、2003年からはテキサスA&M大学がホスティングを引き受けることになりました。2006年にはオープンコンテント化を果たし、登録すれば誰でも平等に編集できる環境が整ったことで、多くのボランティアによる貢献が期待されています。

最近のデータベースの使用状況では、月に約78,000人以上の訪問者があるという調査結果も出ています。また、ISFDBのスキーマはMySQLの手引書にも取り上げられ、プログラミング学習の資料としても利用されています。

このようにISFDBは、文学ファンや研究者にとって有意義な宝庫であり、スペキュレイティブ・フィクションの文化を広める重要な役割を果たしています。

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