IsoD

IsoD（アイエスオーディ）について

IsoDは、Isolated Disciplineの略称であり、野球において打者を評価するための重要な指標の一つです。この指標は、出塁率から打率を引いたもので、具体的には次の式で計算されます。

$$
IsoD = 出塁率 - 打率
$$

この計算式を用いて得られる数値は、打者がどの程度四死球（四球および死球）によか出塁したかを測ることができます。ただし、IsoDが実際にセイバーメトリクス（野球の新しいデータ分析手法）で使用される機会はそれほど多くなく、一般的には四球獲得能力を数値化するために、四球率、すなわちBB%（四球数/打席数）が主に用いられています。

IsoDの評価基準

IsoDの数値による評価基準は、0.07から0.08の間が合格点とされ、0.1を超える選手はその分野で一流と見なされます。IsoDが高いということは、その選手が選球眼に優れ、「しぶとく粘り強い打者」として投手にとって厄介な存在であることが多いです。特に、選球眼が良い選手は、出塁チャンスをより多く得ることができるため、チームにとって非常に価値のある存在となります。

セイバーメトリクスによる選球ランキング

元ロサンゼルス・ドジャースGMであるポール・デポデスタ氏は、「打撃能力を評価する際には、出塁率とP/PA（一打席あたりの被投球数）が非常に重要である」と述べています。この考え方は、IsoDとP/PAを組み合わせて使用することで、打者の選球能力を多角的に評価できるというものです。

たとえば、2007年度のセ・パ両リーグで選球能力が最も高い選手はタイロン・ウッズで、IsoDが0.148、P/PAが4.21でスコアは5.69でした。次いでタフィ・ローズが5.29のスコアで続きます。このように、これらの選手は高いIsoDを持ちながらも、出塁率や被投球数も増加する傾向にあり、そのため選球眼の良さが全体的な打撃成績を向上させる一つの要因として捉えられています。

そのほかにも、松中信彦や山崎武司、アーロン・ガイエルのような選手たちがランキングの上位に名を連ねており、彼らの選球眼は高い評価を受けています。なお、俊足巧打タイプの選手で特に高い評価を受けているのは青木宣親で、彼は4.95のスコアでセ・リーグで6位にランクされています。田中賢介も4.68でパ・リーグ9位となっています。

まとめ

IsoDは、選球眼を測る有力な指標の一つですが、実際の使用頻度は低いこともあり、今後のセイバーメトリクス分析において注目されるかもしれません。打者にとって、ただヒットを量産するだけでなく、出塁能力を高めることは極めて重要であり、そのためにIsoDの理解は一層の価値を持つでしょう。

もう一度検索