J-12 (航空機)

J-12（殲撃十二型）についての詳細

J-12、または殲撃十二型は、中国の南昌飛機製造公司によって開発された戦闘機で、1978年にその開発計画が中止されました。この戦闘機の開発は、ベトナム戦争でのMiG-17の成功を鑑み、中国における防空能力の強化を目的として、1969年7月から始まりました。特に簡易飛行場からの運用を意識した軽戦闘機であり、その期待感は非常に高かったのです。

しかし、開発はさまざまな困難に直面しました。まず、当時起きていた中ソ対立により、既存のJ-7（殲撃七型）の運用が遅延し、その空白を埋めるための純国産機の必要性が増していました。こうした背景の中で、J-12は計画からわずか1年5ヶ月という短期間で初飛行を果たしたものの、性能面では期待に応えられない結果となりました。

一因としては、文化大革命の影響が大きく、技術者の下放が進んだことや、エリアルールの採用が資本主義的とされるなど、イデオロギー的な制約もあったと言われています。これにより、性能を引き上げるための技術革新が妨げられたのです。

1975年に文化大革命が終息を迎えると、J-12は設計変更を経て再び開発が進められました。この時点で、外翼形状の改良やショックコーンの追加などが行われ、第二次試作機が登場しました。しかしながら、依然として機体の小型化が影響し、全体的な性能は低調のままでした。特に、他の新型機の台頭や、J-7の量産が見込まれる中で、J-12の開発を続ける意味が薄れ、ついには計画が中止されることになりました。

最終的に、J-12の製造数は推定で4機から6機程度とされています。これは他の戦闘機と比較すると、極めて少ない数字です。そのスペックは次の通りです。

• - 全長: 10.30 m
• - 全幅: 7.20 m
• - 全高: 3.73 m
• - 翼面積: 16.0 m2
• - 空虚重量: 3,172 kg
• - 最大離陸重量: 4,530 kg
• - 最大速度: 1,300 km/h
• - エンジン: WP-6ZA/B付きターボジェット(推力2,500 kg) 1基
• - 航続距離: 688 km
• - 実用上昇限度: 16,970 m
• - 上昇力: 10,800 m/min
• - 乗員: 1名

以上のように、J-12は中国における戦闘機開発の歴史の中で、厳しい試練を受けつつも一時は注目を集めた機体でありましたが、その性能には限界があり、最終的には消えていった存在となりました。

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