J-31 (航空機)

殲-35 (FC-31) 概要

殲-35、もしくはFC-31は、中国の瀋陽飛機工業集団が自主資金で開発した第5世代のステルス戦闘機です。この機体は「鶻鷹」（シロハヤブサ）というコードネームを持ち、社内では「310工程」に基づいて「310検証機」と呼ばれています。中国の航空軍事力において大きな一歩を示すこの機体は、J-20に続く中国製のステルス戦闘機として位置づけられています。

開発の背景

中国では2000年代半ばに第5世代戦闘機計画が始まりました。最初の設計コンペでは、成都飛行機工業会社の提案（後のJ-20）が採用されましたが、敗者となった瀋陽飛機工業集団は、自身の設計技術を用いて新たな検証機を開発することを決定しました。この新しい機体は、海外市場での需要を視野に入れて中型の双発戦闘機となり、旧F/A-18と同等の能力を持つことが期待されました。

初飛行と公開

このステルス機は2011年に入って初めて存在が確認され、2012年には試験中の映像も流出しましたが、公式な情報はほとんど公開されませんでした。初めて一般に公開されたのは、2014年11月に開催された中国国際航空宇宙博覧会の場で、ここで正式にFC-31という名称も明らかになりました。開発は進み、量産型FC-31の初飛行は2019年を予定しており、2022年には初期作戦能力（IOC）の獲得、そして2025年には完全運用能力（FOC）の獲得が見込まれています。

設計と特徴

FC-31は、米国製のF-22やF-35、ロシアのSu-57と同様に、厳格なステルス性を意識した設計が施されています。胴体は傾斜され、主翼や尾翼の角度を最適化することでレーダー反射断面積（RCS）を低減する工夫がなされています。また、FC-31は機体に多くの複合材料を使用しており、これにより軽量化と高い戦闘能力を両立させています。

特に注目すべきは、機体のサイドにはダイバータレス超音速インレット（DSI）が採用されており、高速域でも安定したエンジン運転が可能です。コックピットにも最新のテクノロジーが反映され、大型のタッチパネル式液晶ディスプレイが装備されています。

配備と輸出の可能性

FC-31は、F-35の購入が難しい国にとって代替となるステルス戦闘機の選択肢として開発されています。すでにいくつかの国から関心が寄せられ、特にパキスタンが30~40機の購入を交渉中であるとの報道もあります。可能性としては、アルゼンチンも興味を示しているとの情報も存在しますが、公式な売却は2018年現在未だ実現していません。

仕様

• - 全幅: 11.5 m
• - 全長: 16.8 m
• - 全高: 4.8 m
• - 主翼面積: 40.0 m²
• - 空虚重量: 12,500 kg
• - 最大離陸重量: 25,000 kg
• - 兵器類最大搭載重量: 8,000 kg
• - 最高速度: M1.8
• - 航続距離: 1,200 km
• - エンジン: RD-93またはWS-13発展型×2

FC-31は確かに今日、未来の航空戦力において重要な意味を持つ戦闘機となりつつあります。

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