J9 ETERNAL SPECIAL

山本正之のオリジナル・ミニアルバム『J9 ETERNAL SPECIAL』は、1993年9月17日に東芝EMI（現・ユニバーサル ミュージック ジャパン）からリリースされました。本作は、山本正之が自ら作曲を手掛けたアニメ『J9シリーズ』の楽曲群に焦点を当てたセルフカバー作品となっています。

『J9シリーズ』は、数々のロボットアニメを生み出したタツノコプロによる人気シリーズです。その主題歌や挿入歌は、山本正之の力強い歌声と印象的なメロディーで多くのファンを魅了しました。このアルバムでは、それらの楽曲が、新たなアレンジで蘇っています。

全編曲を手がけたのは藤原いくろう氏。氏の卓越したアレンジセンスによって、『銀河旋風ブライガー』や『銀河烈風バクシンガー』といった代表的な楽曲は、原曲の持つ力強さを保ちつつ、より洗練されたサウンドに生まれ変わっています。

収録内容は、各シリーズのオープニングテーマやエンディングテーマに加え、挿入歌も収録。特に、『銀河烈風バクシンガー』のエンディングテーマ「アステロイド・ブルース」や『銀河旋風ブライガー』の挿入歌「星影のララバイ」は、ノスタルジックな雰囲気と、楽曲が持つ独特の世界観が見事に表現されています。

さらに、このアルバムのために書き下ろされた新曲「J9シティでなげキッス」も収録。作詞は四辻たかお氏が担当しており、アルバム全体に新鮮な風を吹き込んでいます。既存の楽曲とは異なる新たな魅力を持ち、アルバム全体の完成度を高める重要な一曲となっています。

山本正之の圧倒的な歌唱力と、藤原いくろう氏による洗練されたアレンジ、そして新曲の収録と、聴きどころ満載の『J9 ETERNAL SPECIAL』。アニメソングファンはもちろん、山本正之の音楽を愛するすべての人にとって、必聴のアルバムと言えるでしょう。当時を懐かしむファンも、初めて聴くリスナーも、その魅力的なサウンドに惹きつけられること間違いありません。

各楽曲の作詞を担当したのは、山本優氏と四辻たかお氏。山本優氏は『銀河烈風バクシンガー』や『銀河旋風ブライガー』など、数々の主題歌・挿入歌の作詞を手掛けており、山本正之氏と長年にわたるタッグを組んできました。その実績と経験に基づいた歌詞は、楽曲の世界観を深く理解し、表現したものとなっています。一方、新曲「J9シティでなげキッス」の作詞を担当した四辻たかお氏は、新たな視点から『J9シリーズ』の世界観を表現したことで、アルバムに奥行きを与えています。

このように、『J9 ETERNAL SPECIAL』は、単なるセルフカバーアルバムにとどまらず、アニメソング史における貴重な1枚として、そして山本正之というアーティストの幅広い表現力と才能を見事に示した作品と言えるでしょう。名曲の数々を、新たな解釈で楽しめる、まさにエターナルな1枚です。

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