JBoss

JBoss（ジェイボス）は、Java EE（現Jakarta EE）アプリケーションサーバであり、同時にJavaによるオープンソースソフトウェア開発コミュニティの名称でもあります。100を超える多種多様なプロジェクトが存在し、JBoss.orgコミュニティによって開発と運営が行われています。

概要

JBossの各ソフトウェアは公式サイトからダウンロードして自由に利用でき、ライセンスはLGPL（GNU Lesser General Public License）を採用しています。JBossは1999年、Marc Fleury氏らによってEJBコンテナとして開発が始まりました。当初はEJBossという名称でしたが、サン・マイクロシステムズのEJB商標との権利問題から、現在のJBossという名前に変更されました。

2006年には、商用LinuxベンダーのレッドハットがJBoss Inc.を買収し、現在ではレッドハットがJBossプロジェクトの運営を引き継いでいます。2007年からは、レッドハットが各種コンポーネントの組み合わせに対する保証と、エンタープライズレベルでの統合品質テストを実施したJBossソフトウェアが「JBoss Enterprise Middleware」として提供されています。

オープンソースでありながら商用サポートが受けられる点、そして他のJava EEアプリケーションサーバと比較して動作が軽快である点が、JBossが人気を博している理由の一つです。また、統合開発環境であるEclipseとの連携を可能にするEclipseプラグイン「JBoss IDE」（現在はJBoss Tools）の存在も、JBossの人気を後押ししています。

2008年2月には、レッドハットから「JBoss Enterprise SOA Platform」として、史上初のオープンソースによる本格的なSOA製品群が提供開始されました。

2013年4月、レッドハットはJBoss Application Serverの名称を「WildFly」に改名することを発表しました。この変更は、オープンソース版アプリケーションサーバであるJBoss Application Serverが、商用版のJBoss Enterprise Application Platformと類似しすぎているため、両者を明確に区別する目的で行われました。WildFlyの名称は、コミュニティによる公開投票で決定されました。レッドハットは、この関係性をFedoraとRed Hat Enterprise Linuxの関係に例えています。

主なプロジェクト

JBossには、以下のような多数のプロジェクトが存在します。

WildFly (旧JBoss Application Server)
JBoss Web
JBoss ESB
JBoss Messaging
JBoss jBPM
JBoss Transactions
JBoss Web Services
JBoss Tools
JBoss Cache
JGroups
Mobicents
Hibernate
JBoss RichFaces
JBoss Ajax4jsf
JBoss Portal
JBoss Seam
JBoss EJB3
JBoss AOP

導入事例

JBossは、日本をはじめ世界中の様々な企業で利用されています。アメリカでは、マクドナルド、モトローラ、HP、MCI-WorldCom、Playboy.com、EA Games（Sims Online）、アメリカ政府機関、金融機関（銀行やヘッジファンド）など、多岐にわたる企業や組織で導入実績があります。

その他

JBossは、そのオープンソースとしての柔軟性と、エンタープライズレベルでのサポート体制から、幅広いニーズに対応できるアプリケーションサーバとして、多くの開発者や企業に支持されています。

外部リンク

JBoss Community (英語)
JJBug - 日本JBossユーザグループ
* JBoss Enterprise Middleware (英語)

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