JDスター女子プロレス

JDスター女子プロレスの概要

JDスター女子プロレス（ジェー・ディー・スターじょしプロレス）は、1990年代後半から2000年代にかけて活動した日本の女子プロレス団体です。団体名は、フランスの英雄ジャンヌ・ダルクの頭文字「J」と「D」を由来にしています。今回は、その歴史や特徴、試合スタイルを掘り下げます。

団体の設立と歴史

元々、吉本興業が中国市場に進出しようとした際に、言葉のバリアを考慮し、スポーツを通じて異文化交流を図る必要があると判断しました。その結果、当時人気が高まっていた女子プロレスに着目し、1996年に吉本女子プロレスJd'（よしもとじょしプロレス）を設立することとなります。この設立には、有限会社としてテレテックやバンプレスト、旭通信社などが協力し、卯木基雄が代表に就任しました。そして、全日本女子プロレスに参加していた選手を引き抜くことなく、フリー選手を迎え入れる形で、ジャガー横田やバイソン木村などを含む選手を集結させました。これにより、独自の陣容を形成しました。

1995年にはプレ旗揚げ戦を行い、その後、1996年4月にヴェルファーレで正式な旗揚げ戦を実施。特にメインイベントでは、バイソン木村対豊田真奈美の対決が注目を集めました。当初、覆面コミッショナーとして桂三枝を起用し、プロレスの新たなスタイルを模索しました。342名ものオーディション参加者から選ばれた選手たちは、「新世紀スター誕生 アクション・シンデレラ・オーディション」を経て、プロレスだけでなくアクション女優としてのキャリア形成も目指しました。

経営の変遷と展開

しかし、経営は苦しく、2003年には吉本興業が手を引き、Jオフィスグループが経営権を引き継ぎ、団体名をJDスター女子プロレスに改称しました。厳しい運営の中で、2004年には女子プロレス団体としての活動を終了し、アストレスを中心にしたプロモーションへと方向転換しました。また、フリーや他団体の選手を集めたイベント「格闘美」や「EXPERT」を開催しましたが、後者は残念ながら失敗し、活動は「格闘美」に集約されました。2005年にはメジャー女子プロレスAtoZと業務提携を試みましたが、2006年初頭には解消しました。

試合形式と特徴

JDスター女子プロレスには、特有の試合形式「LSDマッチ」がありました。この形式では、参加選手の数に応じて試合時間が設定され、時間内に多くのフォールやギブアップを決めた選手が勝者となります。また、選手同士のトークバトルを行う「お笑い王者決定戦」も存在しましたが、人気が今一つで2回で終了したという経緯があります。

最終的な運営状態

残念ながら、団体は2007年に解散しました。解散時には、ジェイディー・スターが運営を引き継いでいましたが、将来的な発展の可能性は僅かであり、結果として女子プロレス界の変化に飲まれていくこととなります。活動を通じて数々の個性豊かな選手が育成されたものの、アクション女優として大成した者は現れず、移行の試みも成功したとは評価されにくい状況です。

結論

JDスター女子プロレスは、その設立理念や挑戦的な試みを持ちながら、結果的には短命に終わりましたが、女子プロレス界に新たな風を吹き込む存在であったことは間違いありません。プロレスを通じて、若い選手たちに多くの可能性を示した団体であり、その歴史は今も多くのファンの心に残っています。

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