JH-7 (航空機)

JH-7 戦闘爆撃機

JH-7（簡体字: 歼轰7）は、中華人民共和国で開発された全天候型の戦闘爆撃機であり、主に中国人民解放軍によって運用されています。この機体は、老朽化したQ-5攻撃機の後継機として創出され、輸出名はFBC-1、また「フライング・レオパルド」として知られています。NATOではフラウンダー（Flounder）というコードネームが付与されています。

開発の背景

この機体の開発は1974年に始まりました。H-5爆撃機やQ-5攻撃機の更新を目的としており、空軍は全天候型で電子対抗手段も兼ね備える攻撃機を求め、海軍向けには偵察任務もこなせる攻撃機が必要とされました。最初の試作機は1988年に完成し、その後も多数の改良を重ねつつ運用が続いています。

JH-7の特徴

JH-7はそのデザインが西側の航空機を彷彿とさせるもので、特に高翼デザインやD字型のエアインテークは、英仏共同開発のジャギュアや日本のF-1に似通っています。双発エンジンには英国製のロールス・ロイス スペイMk.202が使われており、この点ではイギリスのファントム機と共通点が見られます。最高速度マッハ1.69はファントムに比べて劣っているものの、エアインテークを固定式にすることで高速度性能をあえて切り捨てていることが考えられます。

派生型

2004年には新型のJH-7Aが導入され、機体の改良が行われました。レーダーの向上や航法装置、ミサイル運用能力が付加されたことで、空軍にとって有用な機体として再評価されています。特に、対艦ミサイルや対地巡航ミサイルを運用する能力が追加されたため、他の機体にはない独自の戦力として位置づけられています。

その後、2011年にはJH-7Bが登場し、さらにステルス性を強化した設計がされています。アビオニクスとエンジンも改良され、より現代的な戦闘機としての機能が期待されています。

現在の配備状況

2018年時点で、JH-7は空軍約140機、海軍約120機が配備されています。特に海軍では、第6師団、第9師団などに所属し、戦術的な活動に貢献しています。空軍でも南京軍区や瀋陽軍区に配置され、情報収集や攻撃任務に活かされています。

課題と事故

JH-7は運用中に幾度かの事故が起こっています。2009年の合同軍事演習中に墜落した事例や、2011年の航空ショーでの事故、さらに2014年の夜間訓練中に墜落した事例などが報告されています。これらの事故は運用の危険性を示す一方で、技術的な改善の重要性も浮き彫りにしています。

性能諸元

• - 乗員: 2名
• - 全長: 21.0 m
• - 全幅: 12.8 m
• - 全高: 6.22 m
• - ペイロード: 4.5t
• - 最大離陸重量: 28.5t
• - エンジン: ロールス・ロイス製スペイMk202またはWS9 ターボファンエンジン 2基
• - 最大速度: マッハ 1.69
• - 戦闘行動半径: 900-1650 km（仕様により変動）
• - 武装: 対空ミサイル、対艦ミサイル、爆弾類など幅広い兵装を運用可能。

JH-7は、空軍と海軍の双方において重要な役割を果たしており、さらなる発展が期待される機体です。

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