JNX (自動車)

JNX（Japanese automotive Network eXchange）について

JNXは、日本国内における自動車メーカーや自動車部品メーカーなどで構成された、安全性が確保された業界専用のネットワークです。このネットワークでは、さまざまな部品の取引や情報のやり取りが行われています。2000年10月にサービスを開始し、2017年には既に2700社を超える企業が参加しています。自動車メーカーや部品メーカーだけでなく、社会システム関連企業や建設機械、農業機械メーカーなども接続しています。

JNXの意義と機能

これまで、自動車メーカーが各部品メーカーに部品を幾度も発注するためには、個々の企業が独自の情報交換ネットワークを構築し、その維持にも多大なリソースを必要としました。このため、多くのメーカーはネットワークの維持コストに頭を悩ませ、部品メーカーも各自動車メーカーとの間に専用の通信環境を整備するために多額の投資を行わなければならなかったのです。そこで、各自動車メーカーが共通のネットワークを作ることにより、部品メーカーはJNXに接続することで効率的にすべてのメーカーとの取引が可能になることが狙いでした。

ただし、部品メーカーがJNXに加入したからといって、自動車メーカーとの取引が自動的に成立するわけではなく、各社の営業努力が求められる点には注意が必要です。また、将来的にはアメリカのANXやヨーロッパのENXといった海外の類似ネットワークとの連携も視野に入れています。これにより、国際的な取引を円滑にするための基盤を築くことが期待されています。

利用者と接続方法

JNXの利用対象者は主に自動車メーカー及びその部品を供給するメーカーであり、一般の個人は参加できません。こうした利用者は「TP（Trading Partner）」と呼ばれ、彼らはJNXのネットワークを利用してデータを交換します。

接続方法は幾つかあり、専用線を通じて他のTPとデータのやり取りをする方法に加えて、インターネットを介した接続も可能です。このインターネット接続はJNXが認定したプロバイダを通じて行われるため、コストやデータ転送の量を考慮しながら、各TPが最適な方法を選択しています。

JNXの運営団体

JNXは数つの団体によって運営されています。主な団体には、一般社団法人日本自動車工業会、一般社団法人日本自動車部品工業会、一般財団法人日本自動車研究所 JNXセンターをはじめ、公益財団法人自動車情報利活用促進協会や公益財団法人自動車リサイクル促進センターなどが含まれています。さらに、業界関連のさまざまな団体がJNXの発展に寄与していることが特徴的です。

関連企業

また、JNXには認定サービスプロバイダー（CSP）としてトヨタシステムズや日本情報通信、ソフトバンクなどがあり、認証局サービスプロバイダー（CASP）としてはセコムトラストシステムズが参加しています。アプリケーションサービスプロバイダー（ASP）としても、IBMやトヨタシステムズが貢献しています。

結論

これらの構造と機能により、JNXは日本の自動車産業における情報管理を効率化し、さらなる発展に寄与する重要な役割を果たしています。

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