JOCエリートアカデミー

JOCエリートアカデミー

概要

JOCエリートアカデミー（JOC Elite Academy）は、若手アスリートをオリンピックなどの国際大会で活躍させるために日本オリンピック委員会（JOC）が設立した育成プログラムです。主に小学生・中学生を対象としており、味の素ナショナルトレーニングセンター（NTC）を拠点に、学校への通学をしながらトレーニングを行います。アカデミーの理念は、アスリートの競技力だけでなく、知識や語学、生活能力を向上させることにあります。これによって、将来的に社会でも活躍できる選手を育成することが目指されています。

競技者の育成

エリートアカデミーでは、厳格な指導体制が整えられており、各競技団体からもサポートを受けています。指導はアスリートの発達段階に応じて行われ、専門的な技術の習得や戦術的な思考の育成が図られています。在籍している競技には、卓球、レスリング、フェンシング、水泳（飛込競技のみ）、ライフル射撃などがあります。とはいえ、競技の新規募集については幾つかの変更があり、例えばレスリングは2013年に募集停止となっています。

歴史的背景

このアカデミーは、2000年に日本政府が策定したスポーツ振興基本計画に基づき設立されました。競技者の育成においては、一貫した指導が不可欠とされており、JOCはこの必要性を鑑みて「JOC GOLD PLANプロジェクト」を発足させました。2008年にはナショナルトレーニングセンターが開設され、その中でエリートアカデミーも実施されています。

学業とトレーニングの両立

アカデミー生は、NTCに併設された寮で共同生活をしながら厳しいトレーニングに励みます。生活には多くのルールがあり、例えば携帯電話は就寝前に管理者に預ける必要があります。トレーニングにかける時間は競技によって異なり、例えばライフル射撃の場合は平日で2時間半、休日で4〜5時間となります。

食事は管理栄養士の指導のもと、栄養バランスを重視して提供されます。特に入校1年目はメニューが決まっており、健康面でのサポートを受けることが重要視されています。アカデミー生は勉強面でも支援が行われ、家庭教師や補習授業を利用できる体制が整っています。

資金面と選抜基準

アカデミーの運営資金はスポーツ振興くじ（toto）の収益から捻出されており、食費や寮費はJOCが負担します。競技に必要な経費は各競技団体が負担し、保護者の負担は軽減されています。

入校の際には、各競技の全国大会での実績が求められますが、競技人口が少ない競技については特別な選抜基準が設けられることもあります。

結果と評価

上記のプログラムから生まれた選手たちの中には、すでに国際大会での成功を収めている者もいます。例えば、2010年にはユースオリンピックで金メダルを獲得した選手もいますが、一方で、運営面や支援のお願いの仕方について疑問を呈する声も少なくありません。アカデミー生が多くの期待を背負って育成される一方で、育成過程でのプレッシャーにも配慮が必要であるという印象を多くの評論家が持っています。エリートアカデミーはこれからも若手アスリートの育成に重要な役割を果たしていくことでしょう。

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