JOTS

統合作戦戦術システム（JOTS）

概要

統合作戦戦術システム（JOTS）は、アメリカ海軍が1981年に導入した先進的なC4Iシステムであり、第一線での意思決定支援を行うために設計されました。このシステムは初めて共通作戦状況図（COP）の作成に対応したもので、通常の状況分析を有利に進めるための情報をリアルタイムで提供しました。JOTSは、アメリカ軍におけるC4Iシステムの基盤を築き上げ、システムの進化を促進しました。

歴史的背景

1970年代には、アメリカ海軍の一部ではHP社製のプログラム電卓を用いて潜水艦捜索計画を立案していました。当時の戦術情報処理装置はすでに配備されていましたが、HP社製の電卓がその柔軟性から重宝されることもありました。1981年、当時の第8空母機動任務群司令、タトル少将によってJOTSの画期的な開発が始まりました。2万5000ドルの予算と3人のスタッフで始まったこの取り組みはいずれも成功を収め、空母「アメリカ」での運用試験を経て、さまざまな対潜戦闘や対空戦闘で利用されることに至ります。

JOTS I

JOTS Iは、1983年に大西洋艦隊の航空母艦および巡洋艦に配備され、全電算式の戦術的意思決定支援システムとしての役割を果たしました。このシステムはHP 9020A/Cコンピュータを基に構築され、DTC-1とも呼ばれています。これにより、艦隊は戦術的情報を効率よく扱い、迅速な意思決定をサポートすることが可能となりました。

JOTS II/III

1984年にはJOTS IIが導入され、新たに通信機能を追加しました。これにより、C4Iシステムとしての能力が向上し、様々な艦艇や部隊間での情報交換が円滑に行えるようになりました。また、JOTS IIIでは空母艦上の複数の戦術家による情報処理のネットワーク化が図られ、作戦全体の支援が強化されました。

JOTS IV

1985年にJOTSは、空母群司令部指揮所に統合され、JOTS IVとして新たに進化しました。このバージョンは、艦上と陸上との双方向データ通信を可能にし、全世界でリアルタイムの戦術データ共有を実現しました。さらに1987年には、ノーフォークにアメリカ海軍初の情報融合センターを設立し、各艦隊に対して詳細な情報を提供できる体制を整えました。

まとめ

JOTSは、アメリカ海軍において重要な役割を果たし、C4Iシステムの発展に寄与しました。このシステムは、自動化と情報共有の技術を駆使して、艦隊の戦術応用を高め、作戦遂行能力を強化するための基盤を築いたのです。JOTSの開発と運用は、現在の海上作戦における意思決定においても重要な教訓となるでしょう。

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