JR北海道労働組合

JR北海道労働組合（JR北労組）

JR北海道労働組合は、北海道旅客鉄道（JR北海道）に組織される労働組合の一つです。略称として「JR北労組」とも呼ばれます。この組合は、日本鉄道労働組合連合会（JR連合）に加盟しています。

概要

JR北労組は、JR北海道内においては第二組合にあたります。2018年2月時点では、JR北海道の労働組合員全体の約8%にあたるおよそ460名が組織に加わっていました。組合の成り立ちは、前身である北海道鉄道産業労働組合に、国鉄労働組合からの脱退者が合流し、名称を改める形で2003年10月26日に誕生したことに遡ります。比較的新しい動きとしては、2022年にJR北海道へ入社した新入社員のうち12名がJR北労組に新たに加入しています。

組織構造において特徴的なのは、JR北海道内で最大の組合勢力を持ち、全日本鉄道労働組合総連合会（JR総連）に加盟している北海道旅客鉄道労働組合（JR北海道労組）との関係性です。JR北労組は、最大組合であるJR北海道労組から一方的に敵対視されている状況が続いています。

活動

JR北労組は、JR北海道労組と会社との関係が非常に密接であると指摘しており、そのためJR北労組と会社との間では、必ずしも協調的な関係ではなく、時に緊張を伴う場面も見られます。組合の歴史を遡ると、前身である北海道鉄産労の時代から、JR北労組の組合員が人事評価において不利益を被ったり、会社が主催する行事への参加を認められなかったり、あるいは労働条件を定める重要な労働協約の締結を会社から拒否されるといった事態が繰り返されてきました。これらの問題について、労働委員会や裁判所が組合に対する不当労働行為であると判断したケースも多数存在します。

JR北労組は、2010年代以降に頻発したJR北海道における一連の事故や不祥事の原因の一つに、最大組合であるJR北海道労組の組織体質や、JR北海道労組と会社間の密接な関係、そして労組間の対立が生んだ閉鎖的な企業文化があると考えています。こうした現状を改善するため、JR北労組は「JR北海道再生プラン」という独自の改革案を打ち出し、企業の再生を強く訴えています。このプランは、閉鎖的な社風の変革や、JR北海道労組に偏った労使関係の是正など、八つの主要な柱から構成されています。

また、事故や不祥事が相次いでいた最中の2013年には、安全確保を目指し、他の主要労組（JR北海道労組、国労北海道、建交労北海道）にも協力を呼びかけ、「安全確保のための4労組共同行動」の実現を目指しましたが、残念ながらこれは実現に至りませんでした。

さらに、JR北海道が2016年7月に、自社だけでの維持が難しいと判断した路線について公表し、持続可能な交通体系を確立するためとして自治体に対し、バスへの転換や財政的な支援を要請した際には、JR北労組は会社のこの取り組みを支持する立場を表明しました。これは、会社の経営基盤を安定させ、安全を最優先する企業文化を築く上で貢献するものだと判断したためであり、この問題に対して会社への全面的な協力を惜しまない姿勢を示しました。

これらの活動を通じて、JR北労組はJR北海道の健全な運営と労働条件の向上を目指しています。

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