JR東日本E657系電車

E657系電車の概要

E657系電車は、東日本旅客鉄道（JR東日本）が運行する交直流特急形車両で、主に常磐線において運用されています。651系およびE653系の置き換えを目的に導入され、特急サービスの向上が図られています。2012年3月3日に臨時特急「復興いわきフラガール号」として営業運転を開始した後、同年のダイヤ改正から「スーパーひたち」や「フレッシュひたち」といった定期特急列車での運用が始まりました。

導入と増備の経緯

当初、E657系は10両編成が16本製造されましたが、上野東京ラインの開業に合わせて2014年に1本、2019年には2本が追加で製造されました。これらの車両は日立製作所、近畿車輛、総合車両製作所といった企業が手掛けています。

車両の構造

E657系の車体はアルミニウム合金によるダブルスキン構造が採用されており、特に新たに屋根上に高圧機器を搭載するためのデザインとなっています。先頭部分にはクラッシャブルゾーンを含むFRP材が使用されており、運転席は高い位置に設計されています。

塗装は赤みのある白を基調にしており、窓回りには黒と紅梅色のバンドが施されています。行先表示器にはフルカラーLEDが使用され、次の停車駅などの情報も表示されます。外観の小さな違いとして、前面スカートの構造が一体型から三分割方式に変更されたことが挙げられます。この変更は、事故発生時の復旧を容易にするために行われました。

車内の設備

車内では、各座席にテーブルとコンセントが設置されており、モバイルインターネットが利用可能な環境が整備されています。車内案内表示器もフルカラーLEDを採用し、行き先や運行情報を提供。編成は600人を収容可能で、座席ピッチも快適な設定がなされています。

トイレや洗面所は奇数号車に完備されており、5号車は電動車椅子に対応しています。特に普通車の座席は、霞ヶ浦の風景をイメージしたデザインが施されています。

主な機器と性能

E657系は、6M4Tの編成を構成し、先頭車2両と中間車2両が組み合わさっています。電動機は主変換装置を使って制御され、効率的な運行が実現されています。最高速度は130km/hで、乗り心地向上のために新幹線と同様のフルアクティブサスペンションが装備されています。

運行と役割

E657系は勝田車両センターに所属し、常磐線の特急便「ひたち」や「ときわ」などで運行されています。2015年のダイヤ改正以降は、これらの列車の速達性やサービス向上が図られています。さらに、2020年にはいわき駅以北での運用が再開され、特急「ひたち」が仙台までの直通便としても運行されるようになりました。

付記

E657系は、輸送体系の変更を計画されていたものの、2011年の東日本大震災の影響を受けて一時的に運行が中止され、その後の復旧に伴い計画が変更された経緯があります。最終的には、E653系からの置き換えが行われ、E657系が定期運行を開始しました。

このように、E657系電車は快適で便利な特急形電車として、今後も多くの旅客に利用され続けることでしょう。

もう一度検索