JR貨物V19C形コンテナ

JR貨物V19C形コンテナ

JR貨物が製造・保有するV19C形コンテナは、主に通風を必要とする貨物の輸送を目的とした12フィートの通風コンテナです。この形式は、通風コンテナの老朽化を補うために作られ、輸送力を増強する役割も果たしています。

構造

V19C形コンテナは、元々の19D形コンテナを基に、通風機構を搭載したモデルです。このコンテナは両側から開けることができ、内部寸法は高さ2,245mm、幅2,275mm、長さ3,647mmに設計されています。また、内容積は18.6立方メートル、最大積載重量は5トンとなっています。

外観は、V19AおよびV19B形と同様に、「JRFレッド」と呼ばれるフロンティアレッドで塗装されています。側面の中央には白抜きのJRFロゴマークが大きく描かれており、目を引きます。通風装置はV19B形から採用されたスリットタイプで、側面に開閉可能なスリットが8箇所設けられています。

2015年度からは、従来のデザインが改変され、赤紫色を基調とした新たな塗装が施されています。この新しいデザインでは、JRFマークや白線が削除され、代わりにJRマークと「JR貨物」の文字が側面に配置されています。また、妻面の右上にも「JR貨物」の文字があります。

製作状況

V19C形コンテナは、老朽化したV18C形コンテナの代替として2006年度から製造が開始されました。初年度には100個が生産され、その後も毎年製造数が増加し、2007年度には1,000個、2008年度には1,200個と続きます。最終的には2023年度までに合計で9,500個が製作されました。

特に、2021年度からはV19A形やV19B形の老朽化に伴う置き換えが進められ、新たな生産が行われています。2022年度からは、山陽本線での脱線事故を考慮し、重量制限装置などを装備した11000番台も製造され、これにより安全性が向上しました。

運用・現況

2025年4月現在、JR貨物はV19C形コンテナを8,743個保有しており、これはJR貨物の所有する通風コンテナの中で最も多い数量です。このコンテナは、毎年9月から10月にかけて行われるジャガイモ専用列車にも利用されており、主に換気が必要な製品を運ぶ際に使用されています。ただし、商品の種類によっては通風孔を閉じて運用する場合もあります。

最近では、初期に製造されたコンテナが老朽化し、これに伴い新しく製造されたコンテナや他の形式のコンテナでこれらが置き換えられる傾向が見られます。そのため、いくつかの古い個体は用途廃止や廃棄が進められています。安全性の確保や保守コストの削減を図るため、今後も一定の見直しが求められるでしょう。

参考文献

• - 「車両のうごき 2006-2007」『鉄道ファン』第556号、交友社、2007年8月
• - 「JRコンテナ」『JR貨物時刻表2012』、公益社団法人鉄道貨物協会、2012年3月
• - その他、JR貨物のオフィシャル資料や年次レポート

関連項目

• - JR貨物のコンテナ形式に関する詳細な情報

もう一度検索