JSON-LD

• -LD（JavaScript Object Notation for Linked Data）は、を基盤としてLinked Dataを表現するための手法です。この技術の主な目的は、開発者が既存のデータを-LD形式に変換する際の負担を軽減することにあります。-LDは、従来のと同じようにデータをシリアライズできるため、既存のシステムへの導入が容易です。

当初、-LDは for Linked Data Community Groupによって開発が進められていましたが、その後、評価、改善、そして標準化のプロセスを経て、RDF Working Groupへと移管されました。現在では、-LD Working Groupによってメンテナンスが行われており、W3C勧告として広く認知されています。

設計思想

• -LDは、「コンテキスト（context）」という概念を中心に設計されており、からRDFモデルへの追加のマッピングを提供します。このコンテキストは、ドキュメント内のオブジェクトプロパティをオントロジーにおける概念に結びつける役割を果たします。-LDの記法をRDFに変換する際に、値を特定の型や言語に強制する機能も備わっています。コンテキストは、-LDドキュメント内に直接埋め込むことができるだけでなく、別のファイルとして独立させ、他のドキュメントから参照することも可能です。例えば、HTTPリンクヘッダを通じて、従来のドキュメントから参照できます。

具体例

以下に、FOAF（Friend of a Friend）オントロジーに基づいた人物の情報を-LDで表現した例を示します。


{
"@context": {
"name": "foaf:name",
"homepage": {"@id": "foaf:homepage", "@type": "@id"},
"foaf": "http://xmlns.com/foaf/0.1/",
"Person": "foaf:Person"
},
"@type": "Person",
"name": "太郎",
"homepage": "https://example.com/taro"
}


この例では、`name`と`homepage`という二つのプロパティと、`Person`という型が、FOAF語彙の概念にマッピングされています。特に、`homepage`プロパティの値は`@id`型として指定されており、これはコンテキスト定義によってIRI（国際化資源識別子）であることを示しています。RDFモデルに基づき、ドキュメント内で表現される人物をIRIによって明確に識別できます。解決可能なIRIを使用することで、さらなる情報を含むRDFドキュメントを参照できるようになり、クライアントはリンクをたどるだけで新たなデータを発見できます。この原則は「Follow Your Nose」として知られています。

このように、全てのデータに意味論的な注釈を付けることで、RDFプロセッサはドキュメントが人物（`@type`）に関する情報を含んでいることを認識できます。また、プロセッサがFOAF語彙を理解していれば、どのプロパティがその人物の`name`や`homepage`を指定しているのかを判断することが可能です。

利用事例

• -LDは、Schema.orgやGoogle Knowledge Graphなど、主に検索エンジン最適化の分野で広く利用されています。また、健康情報学や出所情報を記述するアプリケーションにも応用されており、Activity Streamsというフォーマットの基礎としても活用されています。Activity Streamsは、潜在的または完了した行動に関する情報の交換を目的としており、分散型SNSプロトコルであるActivityPubでも採用されています。さらに、モノのインターネット（IoT）の分野でも利用が進んでおり、-LDドキュメントであるThing Descriptionは、ネットワークに接続されたIoTデバイスのインターフェースを記述するために用いられています。

参照

Hypertext Application Language

参考文献

-LD.org

外部リンク

* -LD.org

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