JULIE IV 今僕は倖せです

アルバム『今僕は倖せです』の詳細

『今僕は倖せです』は、1972年9月10日に日本の著名な歌手である沢田研二によってリリースされたオリジナルアルバムで、彼の3作目の作品です。このアルバムは、当時の日本の音楽シーンにおいて重要な位置を占めるものであり、彼のクリエイティブな才能や独自の音楽性を色濃く反映したものとなっております。最初はLP盤としてポリドールからリリースされ、その後1991年と1996年にCDリリース、さらに2005年にもユニバーサルミュージックから再リリースが行われています。

このアルバムの特徴は、沢田研二にとって初のセルフプロデュース作品である点です。彼は全ての楽曲を自ら手がけており、アルバム内のクレジットには、「制作、企画、構成、作詞、作曲、歌唱　沢田研二」と記載されています。このような自己表現に対する強い意欲が感じられ、歌詞カードやスタッフクレジットには彼の手書きのものが使用されており、独自の「沢田カラー」を強調した作品となっています。

演奏は、PYGから派生した井上堯之グループ（後の井上堯之バンド）が担当しており、このバンドは沢田本人を含むメンバーによる演奏が行われています。特筆すべきは、メンバーの中にPYGで共演していた萩原健一の顔写真が見受けられることで、沢田のPYGへの深い愛着が窺えます。音楽スタイルに関しては、当時のフォークソングの影響が色濃く見え、そうした要素は歌詞や曲調に反映されています。そのため、アルバムジャケットには、アコースティック・ギターを抱えた沢田の後姿がデザインされています。

歌詞に関しては、内向的なテーマが多く取り上げられており、感情に訴えかけるような作品が印象的です。一方で、内田裕也に捧げた楽曲「湯屋さん」などでは彼の遊び心が伺え、バラエティに富んだ内容となっています。面白い点として、シングル曲は1曲も収録されていないため、アルバム全体が凝縮された沢田の音楽観を楽しむことができます。

収録曲一覧

すべての楽曲は、作詞・作曲が沢田研二によって手がけられています。アルバム内の曲は以下の通りです：
1. 今、僕は倖せです（編曲：大野克夫）
2. 被害妄想（編曲：井上堯之）
3. 不良時代（編曲：大野克夫）
- 沢田がゲスト出演した『太陽にほえろ!』の第20話で挿入歌として使用
4. 湯屋さん（編曲：大野克夫）
5. 悲しくなると（編曲：大野克夫）
6. 古い巣（編曲：井上堯之）
7. 涙（編曲：大野克夫）
8. 怒りの捨て場（編曲：井上堯之）
9. 一人ベッドで（編曲：井上堯之）
10. 誕生日（編曲：大野克夫）
11. ラヴ・ソング（編曲：井上堯之）
12. 気がかりな奴（編曲：井上堯之）
13. お前なら（編曲：井上堯之）

LP版には、「くわえ煙草にて」というタイトルで約40秒たっぷりの演奏が収録されており、この部分はCD版ではカットされています。

参加ミュージシャン

このアルバムの制作には以下のミュージシャンが参加しています：

• - 井上堯之グループ
• - 井上堯之
• - 大野克夫
• - 原田祐臣
• - 岸部修三

『今僕は倖せです』は、沢田研二の音楽的な成熟を示しつつ、彼の個性を豊かに表現した作品であり、ファンや音楽愛好家にとって必聴のアルバムです。

もう一度検索