Jaiku

Jaiku（ジャイク）について

Jaikuは、かつて存在したソーシャルネットワーキング、マイクロブログ、ライフストリーミングサービスです。2006年にフィンランドで設立され、同年7月にサービスが開始されました。Twitterに先行して登場し、後のマイクロブログの先駆けとして名を馳せましたが、最終的には2012年にそのサービスを終了することとなります。

設立の背景

Jaikuは2006年2月、ユリ・エンゲストロームとペッテリ・コポネンによってフィンランドのヘルシンキで設立されました。名前の由来は、日本の俳句に似た短文投稿のコンセプトにあり、フィンランドの先住民族であるサーミ人の伝統的なヨイクにも影響を受けています。この独自性によって、Jaikuはその後も注目され続けることになります。

Googleによる買収とその後

Jaikuは2007年10月にGoogleに買収され、これによりさらなる成長が期待されました。しかし、Googleは次第にJaikuの開発に力を注がず、2009年にはオープンソース化を発表しました。この決定により、Jaikuのコードベースは一般に開放され、ユーザーがより自由にカスタマイズできるマイクロブログを目指す試みが行われました。

再び、2009年にはGoogle App Engineを用いてJaikuが再ローンチされました。この時、フォトシェアリングサービスのFlickr、音楽ストリーミングのlast.fm、モバイル位置情報などを活用した共有機能があり、ユーザーにとっての利便性が増していました。

サービスの終了

しかし、ユーザーが少数にとどまる中、2011年10月14日にGoogleはJaikuのサービスを2012年1月までに終了することを発表しました。加えて、同時期にGoogle BuzzやiGoogleのソーシャル機能も閉鎖されることとなり、Jaikuの運命は暗い道を辿ることになります。

その後、元ユーザーのグループがデジタル遺産を保存するためにJaikuarchive.comを立ち上げましたが、オリジナルのアーカイブサイトは2014年にシャットダウンされました。2020年にはjaiku.comのドメインがエラーページに移行し、サービスの歴史は一旦幕を閉じたのです。

ソフトウェアと機能

JaikuはPC用のウェブサイトや携帯電話向けのウェブサイト、さらにNokia S60プラットフォームにも対応したクライアントアプリケーションを提供していました。特にJaiku Mobileクライアントを使えば、スマートフォンから直接短文投稿を行うことができたため、利便性が高く、多くのユーザーに利用されました。

また、JaikuはAPIを公開しており、開発者がさまざまなサードパーティ製のソフトウェアを作成することができる環境が整っていました。Jaiku独自のLifestream機能を通じて、ユーザーは他のアプリケーションとの連携を行い、自分の活動をより広範囲に共有することができた点が特徴的でした。

ユーザーは「ジャイクス」と呼ばれる短文投稿を行い、それを公開したり非公開にしたりすることが可能でした。また、友人同士の交流も促進され、さまざまな情報がシェアされる場として機能していました。

最終的な影響

Jaikuは、マイクロブログの登場と普及に大きな影響を与えましたが、その後の展開は意外にも早いものでした。技術の進化に伴い、新たなプラットフォームが頻繁に登場する中で、Jaikuは短命に終わりました。しかし、その試みや機能は今なお多くのソーシャルメディアサービスに影響を与え続けています。

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