Jakarta Project

Apache Jakarta Projectは、Apacheソフトウェア財団によって運営されていた、Javaプログラミング言語向けのオープンソースソフトウェア開発プロジェクトでした。このプロジェクトは、Javaのライブラリやフレームワークの開発に焦点を当て、多くの重要な成果を上げました。特に、Java Servlet/JavaServer Pages (JSP) のリファレンス実装であるJSWDK（JavaServer Web Development Kit）がサン・マイクロシステムズからApacheソフトウェア財団に寄贈されたことが、このプロジェクトの発足の大きなきっかけとなりました。

JSWDKをベースとして開発されたのが、広く利用されているWebアプリケーションサーバーであるApache Tomcatの最初のバージョンです。Tomcatは、Jakarta Projectの最も成功した成果の一つと言えるでしょう。プロジェクトの名称「Jakarta」は、Javaの名前の由来となったインドネシアのジャワ島にある都市ジャカルタに由来しています。

Jakarta Projectは、数多くのサブプロジェクトを抱えていました。その中でも、Apacheソフトウェア財団のトップレベルプロジェクトに昇格したものは、以下の通りです。

Ant: Javaベースのビルドツール
Commons: 様々なJavaコンポーネントを提供するライブラリ
BCEL: Javaバイトコードを操作するためのライブラリ
BSF: スクリプト言語をJavaアプリケーションに統合するためのフレームワーク
DB: JDBCを利用したデータベース接続を簡単にするためのライブラリ
Forrest: ドキュメント生成フレームワーク
Gump: 継続的インテグレーションツール
HiveMind: サービス指向アーキテクチャ(SOA)のための軽量フレームワーク
James: メールサーバー
JMeter: パフォーマンスと負荷テストツール
Lucene: 検索エンジンライブラリ
Maven: プロジェクト管理ツール
POI: Microsoft Office形式のファイルを操作するためのライブラリ
Struts: Webアプリケーションフレームワーク
Tapestry: コンポーネントベースのWebアプリケーションフレームワーク
Tomcat: Webアプリケーションサーバー
Turbine: Webアプリケーションフレームワーク
Velocity: テンプレートエンジン
Watchdog: アプリケーションの監視ツール

これらのプロジェクトは、Java開発コミュニティにおいて非常に重要な役割を果たし、多くのJavaアプリケーションの開発に貢献しました。

一方で、Jakarta Projectには引退・休止、または他のプロジェクトへ移行したサブプロジェクトも存在します。それらは以下です。

Apache Avalon
Alexandria
Agila
ECS
JCS
ORO
Regexp
Slide
Taglibs
Cactus

Jakarta Projectは2011年10月26日に全てのサブプロジェクトが卒業し、同年12月21日にプロジェクト自体が廃止されました。プロジェクトは終了しましたが、開発された多くのライブラリやフレームワークは、現在も広く利用され、Javaエコシステムに大きな影響を与え続けています。プロジェクトの成果は、後のJava開発の発展に不可欠な基盤となりました。

関連情報として、以下の外部リンクが参考になります。

Java Related Products 公式ウェブサイト（英語）'>The Jakarta Site - The Apache Jakarta™ Project Java Related Products 公式ウェブサイト（英語）
Ja-Jakarta Project（日本語）
Jakarta.JP（日本語）