JavaServer Faces
JavaServer Faces (JSF) は、Java で Web アプリケーションを開発するためのフレームワークです。かつては Java EE の一部でしたが、現在は Jakarta EE の仕様の一つとして、Jakarta Server Faces (JSF) という名称で提供されています。Jakarta EE 9 からは、パッケージ名も `javax.faces` から `jakarta.faces` に変更されました。
JSF は、従来の Web フレームワークとは異なり、コンポーネントベースのアプローチを採用しています。ユーザーインターフェース (UI) を構成する各要素をコンポーネントとして扱い、それらの状態を管理することで、Web アプリケーションの構築を効率化します。
具体的には、以下の機能を提供します。
UI コンポーネントの表現: ボタン、テキストボックス、テーブルなどの UI 要素をコンポーネントとして定義し、再利用可能な形で Web ページに組み込むことができます。
状態管理: コンポーネントの状態をクライアントからのリクエストごとに保存・復元します。これにより、ユーザーがページを移動しても、入力したデータなどが失われません。
イベント処理: ボタンのクリックなどのユーザー操作をイベントとして検知し、それに対する処理を定義できます。
値の変換: ユーザーが入力したデータを適切な形式に変換したり、表示するデータを整形したりできます。
ページナビゲーション: ページ間の遷移を定義し、スムーズなユーザー体験を提供します。
国際化とアクセシビリティ: 多言語対応やアクセシビリティ向上を支援する機能を提供します。
JSF は当初、画面表示技術として JavaServer Pages (JSP) を使用していましたが、2.0 以降は Facelets がデフォルトとなっています。Facelets はより HTML に近い構文で記述でき、開発効率を向上させます。
JSF は、以下の要素で構成されています。
API セット: UI コンポーネントの操作、状態管理、イベント処理などを行うための API。
デフォルト UI コンポーネント: 一般的な UI 要素を実装したコンポーネントのセット。
JSP カスタムタグライブラリ: JSP で JSF インターフェースを表現するためのタグ。
サーバーサイドのイベントモデル: ユーザー操作に対応するイベント処理の仕組み。
状態管理: コンポーネントの状態を管理する仕組み。
管理 Bean (Managed Bean): UI コンポーネントとビジネスロジックを結びつけるための Java クラス。
式言語 (EL): JSP や Facelets でデータを参照したり、メソッドを呼び出したりするための言語。
JSF は、Java Community Process (JCP) の元で仕様が策定されてきました。
JSF 1.0 (2004年3月11日): 最初のリリース。
JSF 1.1 (2004年5月27日): バグ修正リリース。
JSF 1.2 (2006年5月11日): コアシステムと API に大幅な改善が含まれたリリース。Java EE 5 に採用。
JSF 2.0 (2009年6月28日): 使いやすさ、機能追加、パフォーマンスが向上したメジャーリリース。Ajax 対応。
JSF 2.1 (2010年10月22日): 2.0 のメンテナンスリリース。
JSF 2.2 (2013年5月21日): HTML5 対応、ステートレスモードの追加など。
JSF 2.3 (2017年4月17日): WebSocket 機能、CDI 拡充、BeanValidation 相関チェック対応。
Facelets は、JSF のためのテンプレートエンジンで、JSF 2.0 から JSP に代わってデフォルトの画面表示技術として採用されています。Facelets は XHTML をベースにしており、JSF コンポーネントを記述するための独自のタグや属性を提供します。
Facelets のテンプレートは、以下の 2 つの方法で記述できます。
独自の XML タグを使用する方法:
xml
`jsfc` 属性を使用する方法:
html
`jsfc` 属性を使用すると、テンプレートを通常の XHTML として扱うことができるため、ブラウザでの表示確認や WYSIWYG エディタでの編集が容易になります。
JSF は、他の Web GUI フレームワークと比較して、以下のような特徴を持っています。
Struts: Struts はページ単位の MVC フレームワークであり、コンポーネントモデルは備えていません。JSF とは異なるアプローチで Web アプリケーションを構築します。
WebObjects: WebObjects は、JSF と同様のコンポーネントモデルとイベントモデルを備えています。ただし、コンポーネントの定義方法やレンダリングのアプローチが JSF とは異なります。
Apache Tapestry: Tapestry は、JSF と同様にコンポーネントベースのフレームワークですが、JSP を使用せず、独自のテンプレートエンジンを使用します。
Microsoft ASP.NET: JSF と ASP.NET は、コンポーネントベースのアプローチを採用している点で共通しています。しかし、ASP.NET では、コンポーネントの出力コードが UI コンポーネントに結合しているのに対し、JSF では分離が可能です。
JSF は、Ajax と組み合わせて使用することで、よりリッチなユーザーインターフェースを構築できます。JSF 2.0 以降では、Ajax のサポートが強化され、サーバー側だけでなくクライアント側でも UI ロジックを実行できるようになりました。
Ajax を用いた JSF コンポーネントやフレームワークは数多く存在します。
ADF Faces
Backbase Enterprise Ajax JSF Edition
OmniFaces
PrimeFaces
ICEfaces
RichFaces
MyFaces
Sun Java BluePrints AJAX Components
MB Technologies BindowsFaces
ZK
* J4Fry
これらのフレームワークを利用することで、開発者はより簡単に Ajax ベースの JSF アプリケーションを構築できます。
JSF は、Java で Web アプリケーションを開発するための強力なフレームワークです。コンポーネントベースのアプローチ、Facelets による効率的な開発、Ajax サポートによるリッチなユーザーインターフェースの構築など、多くのメリットを提供します。これらの特徴から、大規模なエンタープライズアプリケーションや、複雑な Web アプリケーションを開発する際に適しています。
JSF の概要
JSF は、従来の Web フレームワークとは異なり、コンポーネントベースのアプローチを採用しています。ユーザーインターフェース (UI) を構成する各要素をコンポーネントとして扱い、それらの状態を管理することで、Web アプリケーションの構築を効率化します。
具体的には、以下の機能を提供します。
UI コンポーネントの表現: ボタン、テキストボックス、テーブルなどの UI 要素をコンポーネントとして定義し、再利用可能な形で Web ページに組み込むことができます。
状態管理: コンポーネントの状態をクライアントからのリクエストごとに保存・復元します。これにより、ユーザーがページを移動しても、入力したデータなどが失われません。
イベント処理: ボタンのクリックなどのユーザー操作をイベントとして検知し、それに対する処理を定義できます。
値の変換: ユーザーが入力したデータを適切な形式に変換したり、表示するデータを整形したりできます。
ページナビゲーション: ページ間の遷移を定義し、スムーズなユーザー体験を提供します。
国際化とアクセシビリティ: 多言語対応やアクセシビリティ向上を支援する機能を提供します。
JSF は当初、画面表示技術として JavaServer Pages (JSP) を使用していましたが、2.0 以降は Facelets がデフォルトとなっています。Facelets はより HTML に近い構文で記述でき、開発効率を向上させます。
JSF の構成要素
JSF は、以下の要素で構成されています。
API セット: UI コンポーネントの操作、状態管理、イベント処理などを行うための API。
デフォルト UI コンポーネント: 一般的な UI 要素を実装したコンポーネントのセット。
JSP カスタムタグライブラリ: JSP で JSF インターフェースを表現するためのタグ。
サーバーサイドのイベントモデル: ユーザー操作に対応するイベント処理の仕組み。
状態管理: コンポーネントの状態を管理する仕組み。
管理 Bean (Managed Bean): UI コンポーネントとビジネスロジックを結びつけるための Java クラス。
式言語 (EL): JSP や Facelets でデータを参照したり、メソッドを呼び出したりするための言語。
JSF の歴史とバージョン
JSF は、Java Community Process (JCP) の元で仕様が策定されてきました。
JSF 1.0 (2004年3月11日): 最初のリリース。
JSF 1.1 (2004年5月27日): バグ修正リリース。
JSF 1.2 (2006年5月11日): コアシステムと API に大幅な改善が含まれたリリース。Java EE 5 に採用。
JSF 2.0 (2009年6月28日): 使いやすさ、機能追加、パフォーマンスが向上したメジャーリリース。Ajax 対応。
JSF 2.1 (2010年10月22日): 2.0 のメンテナンスリリース。
JSF 2.2 (2013年5月21日): HTML5 対応、ステートレスモードの追加など。
JSF 2.3 (2017年4月17日): WebSocket 機能、CDI 拡充、BeanValidation 相関チェック対応。
Facelets
Facelets は、JSF のためのテンプレートエンジンで、JSF 2.0 から JSP に代わってデフォルトの画面表示技術として採用されています。Facelets は XHTML をベースにしており、JSF コンポーネントを記述するための独自のタグや属性を提供します。
Facelets のテンプレートは、以下の 2 つの方法で記述できます。
独自の XML タグを使用する方法:
xml
`jsfc` 属性を使用する方法:
html
`jsfc` 属性を使用すると、テンプレートを通常の XHTML として扱うことができるため、ブラウザでの表示確認や WYSIWYG エディタでの編集が容易になります。
他の Web GUI フレームワークとの比較
JSF は、他の Web GUI フレームワークと比較して、以下のような特徴を持っています。
Struts: Struts はページ単位の MVC フレームワークであり、コンポーネントモデルは備えていません。JSF とは異なるアプローチで Web アプリケーションを構築します。
WebObjects: WebObjects は、JSF と同様のコンポーネントモデルとイベントモデルを備えています。ただし、コンポーネントの定義方法やレンダリングのアプローチが JSF とは異なります。
Apache Tapestry: Tapestry は、JSF と同様にコンポーネントベースのフレームワークですが、JSP を使用せず、独自のテンプレートエンジンを使用します。
Microsoft ASP.NET: JSF と ASP.NET は、コンポーネントベースのアプローチを採用している点で共通しています。しかし、ASP.NET では、コンポーネントの出力コードが UI コンポーネントに結合しているのに対し、JSF では分離が可能です。
JSF と Ajax
JSF は、Ajax と組み合わせて使用することで、よりリッチなユーザーインターフェースを構築できます。JSF 2.0 以降では、Ajax のサポートが強化され、サーバー側だけでなくクライアント側でも UI ロジックを実行できるようになりました。
Ajax を用いる JSF コンポーネントとフレームワーク
Ajax を用いた JSF コンポーネントやフレームワークは数多く存在します。
ADF Faces
Backbase Enterprise Ajax JSF Edition
OmniFaces
PrimeFaces
ICEfaces
RichFaces
MyFaces
Sun Java BluePrints AJAX Components
MB Technologies BindowsFaces
ZK
* J4Fry
これらのフレームワークを利用することで、開発者はより簡単に Ajax ベースの JSF アプリケーションを構築できます。
まとめ
JSF は、Java で Web アプリケーションを開発するための強力なフレームワークです。コンポーネントベースのアプローチ、Facelets による効率的な開発、Ajax サポートによるリッチなユーザーインターフェースの構築など、多くのメリットを提供します。これらの特徴から、大規模なエンタープライズアプリケーションや、複雑な Web アプリケーションを開発する際に適しています。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。