K.マイケル・ヘイズ

ケネス・マイケル・ヘイズ（Kenneth Michael Hays, 1952年10月18日生まれ）は、アメリカ合衆国を代表する建築史家、建築理論家です。彼は現在、ハーバード大学デザイン学部においてエリオット・ノイズ終身教授の職にあります。

ヘイズは1976年にジョージア工科大学を卒業後、1979年にマサチューセッツ工科大学（MIT）大学院で修士課程を修了しました。その後、MITからPh.D.（博士号）を取得しています。

彼は北米における建築理論の発展において中心的な役割を果たし、20世紀末から21世紀初頭にかけて世界の建築理論を牽引した雑誌『アッサンブラージュ』の創刊者として知られています。また、2000年から2009年まで、ホイットニー美術館の建築部門キュレーターを務め、その手腕を発揮しました。

ヘイズの研究領域は多岐にわたりますが、特にヨーロッパ・モダニズムと批評理論、そして現代建築における理論的課題に焦点を当てています。ヨーロッパ・モダニズムに関しては、ハンネス・マイヤー、ルートヴィヒ・ヒルベルザイマー、ミース・ファン・デル・ローエといった巨匠たちの作品や思想を深く探求しています。また、現代建築においては、ピーター・アイゼンマン、バーナード・チュミ、後期ジョン・ヘイダックなどの建築家を取り上げ、彼らの作品における理論的側面を分析しています。

ヘイズは、これらの研究成果を基に、数多くの著作を発表しています。中でも、以下の著作は特に重要です。

Modernism and the Posthumanist Subject: The Architecture of Hannes Meyer and Ludwig Hilberseimer, The MIT Press, Cambridge, Mass., 1995
この著作は、ハンネス・マイヤーとルートヴィヒ・ヒルベルザイマーの建築を通して、モダニズムとポストヒューマニズムの関係性を考察したものです。建築における社会的な役割や人間の存在意義について深く掘り下げています。（日本語訳版：松畑強訳『ポストヒューマニズムの建築、ハンネス・マイヤーとルートヴィヒ・ヒルベルザイマー』鹿島出版会、1997年、ISBN 4306043606）

ケネス・マイケル・ヘイズは、建築史、建築理論の分野において、教育者として、また研究者として多大な貢献をしており、その影響力は計り知れません。

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