KB (航空機)

KB飛行艇の概要

KBは、日本海防義会によって試作された、歴史上初の全金属製飛行艇です。このプロジェクトは1922年の9月に始まり、東京帝国大学航空研究所や陸・海軍と連携して設計が行われました。設計の主官を務めた横田成沽技師を中心に、技術者たちは機体設計に取り組みました。

機体の製造は大日本帝国陸軍の東京砲兵工廠が担い、動力源や操縦システムの製造は横須賀海軍工廠によって行われました。当初、機体は「全金属製水上飛行機」と名付けられていましたが、1934年に名が「KB」に改名されました。関東大震災などの影響により開発が遅れた結果、1924年の12月に試作機が完成しました。

その後、KBは日本海軍に納入され、田浦海岸で飛行試験が始まりました。試験中、小規模な改良が施されながらも、機体の速度と離着水の性能は良好であると認識されました。しかし、1926年の3月22日に発生した第7回飛行試験では、滑空降下中に姿勢が崩れ、急速に海面へ墜落し、乗員4名が残念ながら命を落とす事故が起こりました。この事故により、KBの開発が続行されることはなく、新たに設計を変更した全金属製飛行艇が建造されることとなりました。残された予備艇体は、東京砲兵工廠での実験機材として利用されました。

機体の特性

KBは高翼単葉の双発飛行艇で、全金属製でありながら一部の翼には羽布が使用されています。当初は国産エンジンを搭載する予定でしたが、開発の遅れからドイツ製のBMW-3Aエンジンへと変更されました。これにより、2枚の金属製プロペラやV型斜翼支柱などの新要素が実装され、海防義会は日本における特許も取得しました。

墜落事故は操縦装置の故障が原因とされ、これがKBの運命を大きく変える要因となりました。

諸元

• - 全長: 13.95 m
• - 全幅: 21.78 m
• - 全高: 4.00 m
• - 自重: 2,012 kg
• - 全備重量: 3,086 kg
• - エンジン: BMW-3A 水冷直列6気筒（離昇230 hp）×2
• - 最大速度: 201 km/h
• - 実用上昇限度: 6,500 m
• - 航続距離: 2,000 km
• - 乗員: 4名

KBの開発は事故によって中断されたものの、全金属製飛行艇の初期の試みとして、後の航空機製造において重要な位置を占めています。

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