KCスタジアム

MKMスタジアム

MKMスタジアム（英: MKM Stadium）は、イングランド北東部の都市、キングストン・アポン・ハルに所在する近代的な多目的スタジアムです。この施設は、地元の主要スポーツクラブであるサッカーのハル・シティAFCと、ラグビーリーグのハルFCが共同で本拠地として使用しています。また、国内リーグの試合にとどまらず、サッカーやラグビーの国際試合の開催実績もあり、地域のスポーツ振興に貢献しています。

スタジアムの名称は、2021年6月25日に変更されました。地元の建材供給会社であるMKM Building Supplies Ltd.が5年間の命名権契約を締結したことに伴い、それまでの名称からMKMスタジアムと改称されたものです。ただし、UEFA（欧州サッカー連盟）主催の試合など、特定の国際試合においては、スポンサー名を含まない「ハル・シティ・スタジアム (Hull City Stadium)」として扱われます。

歴史

スタジアムの建設構想が初めて浮上したのは1997年のことでした。しかし、プロジェクトの実現には多額の資金が必要であり、その調達は容易ではありませんでした。建設資金の大半は、政府が提供する単一再生予算補助金から約4,200万ポンドが拠出されることで確保されました。これに加えて、フットボールスタジアム整備基金からの助成金によって不足分が補われ、計画は大きく前進しました。

ハル市議会は、この大規模な建設計画を推進するために、ジョン・トップリス氏を計画責任者に任命しました。トップリス氏を中心とするプロジェクトチームは、スタジアムの具体的な仕様を検討する上で、建設場所、収容人数、必要な設備といった多岐にわたる要素を詳細に調査しました。特に建設場所については、市内の12ヶ所以上が候補として検討されました。その結果、交通の利便性が高いこと、周辺が住宅密集地から適度に離れていること、そしてハル市議会が所有する土地であることなどを総合的に考慮し、現在のウエスト・パークの敷地に建設することが決定されました。

多様な用途とコンサート活動

MKMスタジアムは、サッカーやラグビーといった主要スポーツイベントの他にも、様々な用途で利用されてきました。特に注目されるのが、過去に行われた大規模コンサートの開催です。エルトン・ジョン、ブライアン・アダムス、R.E.M.、ザ・フーなど、国内外の著名なミュージシャンやバンドがこのスタジアムのステージに立ちました。

コンサートの中には、エルトン・ジョンやニール・ダイアモンドの公演のようにチケットが完売し、大きな成功を収めたものもありました。しかしその一方で、ボン・ジョヴィやR.E.M.などの公演では、期待されたほどの観客動員が得られず、集客面で課題を抱えるケースも見られました。こうした成功と失敗の経験を踏まえ、現在はコンサート会場としての積極的な利用は行われていない状況です。

スポーツイベントを中心に、地域の文化やエンターテイメントの拠点としても機能してきたMKMスタジアムは、キングストン・アポン・ハル市にとって重要な公共施設の一つと言えます。

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