KDA-3 (航空機)

KDA-3: 川崎造船所による試作戦闘機

はじめに

KDA-3は、川崎造船所飛行機部（後の川崎航空機工業）が大日本帝国陸軍向けに試作した戦闘機であり、その名称は「Kawasaki Dockyard, Army」の略称です。1920年代における日本の航空機開発の一環として、多くの競争試作機の中で設計されました。

開発の経緯

1927年3月、日本陸軍は当時旧式化が進んでいた甲式四型戦闘機に代わる新型戦闘機の製作を4社に発注しました。その中には三菱、中島、川崎、石川島の各社が含まれており、川崎は1927年7月よりKDA-3の設計作業を始めました。

1928年3月には、初号機が完成し、その後5月に試験機となる二号機と三号機が製作されました。しかし、初号機は4月1日の試験飛行中に事故を起こし、損傷してしまいました。この事故を受けて二号機と三号機はエンジンと尾翼の設計を見直し、同年の後半にテストパイロットによる審査飛行を行いました。

審査中に、別の試作機である三菱の隼型が事故を起こしたことを受け、機体強度を評価するための破壊試験が実施されましたが、その結果、いずれの試作機も強度不足が明らかとなり、採用には至りませんでした。その後、試作機は川崎の実験機として利用され、技術研究に役立てられました。

機体設計

KDA-3は全金属製の胴体とパラソル型主翼を備えた単葉機です。降着装置は固定脚を採用しており、設計にはドイツから輸入した機体にインスパイアを受けた要素が含まれています。当初は複葉機として計画されていましたが、陸軍の要望によりパラソル翼を採用することになりました。

エンジンについては、初号機にはBMW-6エンジンが搭載され、二号機と三号機にはイスパノ・スイザ製の450 hpエンジンが使用されました。各機体のテスト結果から得られた情報は、その後の日本の航空機設計における貴重なデータとなりました。

概要

諸元（一号機）

• - 全長: 8.85 m
• - 全幅: 12.60 m
• - 全高: 3.00 m
• - 主翼面積: 25.0 m²
• - 自重: 1,350 kg
• - 全備重量: 1,950 kg
• - エンジン: BMW-6 水冷V型12気筒（最大630 hp） × 1
• - 最大速度: 285 km/h
• - 実用上昇限度: 9,000 m
• - 武装: 7.7mm固定機銃 × 2
• - 乗員: 1名

まとめ

KDA-3の試作は、航空機技術の発展に向けた重要なステップでした。結果的にこの機体は採用には至りませんでしたが、その設計過程や試験を通じて多くの知見が得られ、後の航空機開発に貢献しました。

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