KEIRINグランプリ2014

KEIRINグランプリ2014：初の西日本開催、岸和田に刻まれた激闘の軌跡

2014年12月30日、大阪府岸和田市の岸和田競輪場を舞台に、第30回KEIRINグランプリが開催されました。この大会は、競輪界最高峰のレースとして、その年のトップレーサーたちが一堂に会し、優勝賞金1億170万円をかけて激戦を繰り広げることで知られています。この年は、KEIRINグランプリ史上初の西日本開催となり、競輪ファンにとって特別な大会となりました。

出場選手

出場選手は、同年11月24日に開催された競輪祭決勝戦終了後に決定しました。選出基準は、獲得賞金ランキングに基づいており、その年のトップ9選手が集結しました。車番は12月17日に発表され、12月18日にはホテルグランパシフィックLE DAIBAで共同記者会見と前夜祭が開催されました。さらに、12月26日にはホテルアゴーラリージェンシー堺でファンパーティーが開催され、大会への期待が高まりました。この年のグランプリには、稲川翔選手と岩津裕介選手の2名が初出場を果たしました。

補欠選手には、新田祐大選手が選ばれました。

レース展開

レースは、平原選手が先行する展開で始まりました。最終ホームを通過する際、深谷選手が巻き返しを図るも、1コーナーで武田選手のブロックにより失敗。その混乱の中、村上義選手が武田選手の後ろにいた神山選手を内から掬い上げる動きを見せ、岩津選手が落車するアクシデントが発生。外併走を耐えた神山選手が3コーナーで弾かれ、その余波で浅井選手も後退するという波乱の展開となりました。

先行していた平原選手のスピードが鈍ったところで、武田選手がバックから番手捲くりを敢行。後続を大きく引き離し、見事ゴール。6度目の挑戦にして悲願のグランプリ制覇を達成しました。2着には、武田選手を追走した村上義選手の背後から直線で伸びた村上博幸選手が、3着には村上義選手が入りました。

大会エピソード

KEIRINグランプリが岸和田競輪場で開催されたのは、この大会が初めてでした。これまで、グランプリは立川、京王閣、平塚の3競輪場で持ち回りで開催されていましたが、西日本での開催は初の試みでした。開催決定は2013年4月17日に発表されました。

岸和田競輪場は、過去に何度もグランプリ誘致に動いてきましたが、諸事情により実現しませんでした。今回の開催は、当時の野口聖市長の熱心な誘致活動が実を結んだ結果であると報道されています。

テレビ中継は、日本テレビ系列で「KEIRINグランプリ2014 坂上忍の勝たせてあげたいTV」として全国放送されました。解説は加藤慎平氏、実況は筒井大輔氏が担当しました。また、関東と関西では、深夜帯に「直前SP」も放送されました。なお、この年の地上波中継はKEIRINグランプリ2014のみでした。

グランプリ当日の有料入場者数は1万1911人となり、岸和田競輪場では2009年以来となる1万人超えを記録しました。グランプリ単体の売上目標は50億円でしたが、実際には54億6018万1800円を達成。シリーズ全体の売上目標は120億円でしたが、3日間の総売上は125億7165万5900円となりました。

その他

この大会では、「SS11問題」に関与した選手たちの出場が危ぶまれていましたが、6月に自粛期間の短縮が決定し、4選手が出場。うち1選手が優勝、2選手が3着以内入賞を果たす結果となりました。

イメージアーティストには長渕剛氏が起用され、イメージソングとして「走る」が発表されました。当初、長渕氏はレース当日にゲスト出演する予定でしたが、紅白歌合戦への出場が決まったため、ガールズグランプリが開催される12月28日に変更。開会式で「走る」を熱唱しました。

外部リンク

KEIRINグランプリ2014岸和田 - YouTubeチャンネル
Road to KEIRINグランプリ2014 –岸和田競輪-


特設サイトは、2014年1月10日に開設され、約1年間にわたってPR活動が行われました。

KEIRINグランプリ2014は、初の西日本開催というだけでなく、数々のドラマと記録を生み出した、記憶に残る大会となりました。

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