KETSUNOPOLIS 8

ケツメイシ『KETSUNOPOLIS 8』解説

2012年12月12日にリリースされたケツメイシの8枚目のアルバム『KETSUNOPOLIS 8』は、前作『ケツノポリス7』から約1年9ヶ月ぶり、avex trax移籍後初のアルバムとして発売されました。今作では、アルバムタイトルがカタカナ表記からアルファベット表記へと変更され、新たな試みが感じられます。DVD付き初回限定盤と通常盤の2形態でリリースされました。

新たなサウンドへの挑戦

本作では、新しいサウンドでの表現を追求し、エレクトロや最先端のクラブシーンの要素を大胆に取り入れています。リード曲には「合わせた手のひらの間- in between the two palms」が選ばれましたが、これはアルバム全体の強いメッセージ性を象徴する楽曲です。この楽曲には、閉塞感のある現代社会や政治に対するメッセージが込められており、進むべき方向を示さないリーダーたちへの批判的な視点が表現されています。

ジャケット写真の変更

これまでアルバムジャケットを飾っていた首里城の写真から一転、今作ではタイのストリートを撮影した写真が使用されています。これは、メンバーのRYOJIがタイの人々が他国の音楽を柔軟に受け入れる姿勢に感銘を受けたためです。この変更は、音楽の多様性や新たな挑戦への意欲を象徴しています。

海外サウンドへの挑戦

従来のケツメイシのサウンドとは異なる、海外で主流となっているサウンドを取り入れたのは、それらのサウンドでも十分に勝負できることを確認したかったためです。また、そうしたサウンドでなければ伝えられないメッセージがあると感じたからだと語っています。背景には、日本の音楽文化がカラオケ中心に動いている現状に対し、欧米やアジアの途上国ではクラブが遊びの主流となっていることから、その楽しみを日本のファンにも味わってほしいという思いがありました。

メッセージ性の強い楽曲

今作には、政治的なメッセージ色の強い楽曲も収録されており、それはミュージシャンとしての役割だとメンバーは考えています。このままではつまらない国になってしまうという危機感を伝え、聴く人に何かを感じてもらうきっかけになればという思いが込められています。また、ミュージシャンが伝えたいことを伝えられなくなることへの危機感も表明しており、自己表現の重要性を強調しています。

収録曲

1. 脳内開放-know ya mind free
2. LOVE LOVE Summer
3. guruguru
4. ASIA
5. GOKON Queen
6. moyamoya
7. ボラーレ-Nel Blu,Dipinto Di Blu （Album Mix）
8. papamama syndrome
9. 愛に恋して-fallin in luv with a Love
10. Dearest our...
11. Running man
12. 合わせた手のひらの間-in between the two palms
13. YOUR WAY

初回特典DVD

初回限定盤には、以下のミュージックビデオとメイキング映像が収録されたDVDが付属しています。

LOVE LOVE Summer　MV
ボラーレ ~ Nel Blu, Dipinto Di Blu　MV
moyamoya　予告編
moyamoya　MV
guruguru　MV
合わせた手のひらの間 - in between the two palms (MV)
LOVE LOVE Summer (MV Making)
guruguru (MV Making)
ALBUM JACKET Making
LOVE LOVE Summer - 高校野球編
* LOVE LOVE Summer - 高校野球編 (Making)


『KETSUNOPOLIS 8』は、ケツメイシが新たなサウンドに挑戦し、社会的なメッセージを込めた意欲作であり、彼らの音楽の幅広さと深さを感じられる作品です。

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