KILL FUCK DIE

W.A.S.P.の7thアルバム『KILL FUCK DIE』は、1997年に発表されました。日本で先行発売された本作は、オリジナル・ギタリストであるクリス・ホルムズが1990年の脱退以来、再加入した作品として話題を呼びました。

しかし、ホルムズ自身は2018年のインタビューで、ギターを弾いたのは2曲のみだったと語っています。また、ドラマーとしてクレジットされているステット・ホーランドは実際にはドラムマシンが使用されており、ブラッキー・ローレスがマリリン・マンソンに自身の地位を脅かされるのを恐れたためだとホルムズは語っています。

イギリスでは、全英アルバムチャートで94位を記録しましたが、翌週にはチャート圏外に落ちました。その後、2015年の『ゴルゴタの丘』が全英50位を記録するまで、W.A.S.P.のアルバムは全英トップ100入りを果たすことはありませんでした。

音楽評論家からの評価は賛否が分かれました。AllMusicのStephen Thomas Erlewineは、バンド・サウンドを評価する一方で、セックスと血の描写がセルフ・パロディに過ぎないと批判しました。一方、『CDジャーナル』は、往年の毒気が復活し、ダイナミックで攻撃的なサウンドが刺激的だと評しました。Eduardo Rivadaviaは、本作から「U」を「Top 10 W.A.S.P. Songs」の8位に選び、インダストリアル・ミュージックの要素を取り入れながらも、W.A.S.P.本来のショック・ロックとしての魅力が失われていないと評価しました。

収録曲

全曲ともブラッキー・ローレスとクリス・ホルムズの共作です。

日本盤
1. KILL FUCK DIE - Kill Fuck Die - 4:20
2. テイク・ジ・アディクション - Take the Addiction - 3:41
3. マイ・トーチャード・アイズ - My Tortured Eyes - 4:03
4. キラヘッド - Killahead - 4:07
5. トーキョーズ・オン・ファイア - Tokyo's on Fire - 3:34
6. キル・ユア・プリティ・フェイス - Kill Your Pretty Face - 5:49
7. ウィキッド・ラヴ - Wicked Love - 4:36
8. U - U - 5:10
9. ホラー - The Horror - 8:26

アメリカ盤・ヨーロッパ盤
1. Kill Fuck Die - 4:20
2. Take the Addiction - 3:41
3. My Tortured Eyes - 4:03
4. Killahead - 4:07
5. Kill Your Pretty Face - 5:49
6. Fetus - 1:23
7. Little Death - 4:12
8. U - 5:10
9. Wicked Love - 4:36
10. The Horror - 8:26

参加ミュージシャン
ブラッキー・ローレス - リード・ボーカル、ギター
クリス・ホルムズ - リードギター
マイク・デューダ - ベース、ボーカル
ステット・ホーランド - ドラムス

『KILL FUCK DIE』は、W.A.S.P.のキャリアの中でも異色作であり、賛否両論を呼んだ作品です。過激なタイトルや歌詞、インダストリアルなサウンドなど、様々な要素が組み合わさった本作は、W.A.S.P.の新たな一面を垣間見ることができる作品と言えるでしょう。

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