KJ-500 (航空機)

KJ-500（空警-500）について

KJ-500、正式には空警-500（ピンイン：Kōngjǐng Wǔbǎi）は、中国人民解放軍空軍が導入している第3世代の早期警戒管制機です。この機体は、陝西飛機工業公司によって製造され、Y-9の機体をベースにしています。この機種は、早期警戒と航空管制に特化しており、戦闘機やミサイルの活動を広範囲に監視する能力を持っています。また、KJ-500は、Y-9WまたはGX-10との名称でも知られています。

開発の背景

21世紀に入り、航空機搭載レーダーの技術は著しく進化し、探知範囲や精度が向上しています。これに伴い、空対空ミサイルや低高度巡航ミサイルを装備した戦闘機の性能も増加しています。その結果、より高性能な早期警戒管制機が必要とされるようになりました。中国はこのニーズに応えるため、2000年代後半からKJ-500の開発に着手しました。

KJ-500の要件としては、優れた探知能力、識別能力、そして迅速な応答性が挙げられています。これに加えて、情報化された戦闘システムの中核として機能するため、以下の4つの技術的特徴が求められました：ネットワーク対応、多機能性、高度なシステム統合、そして軽量設計です。

機体構造

KJ-500の特徴的なデザインは、胴体の上部に円盤状のレーダードームを搭載している点です。このドーム内には、360度をカバーする3つのアクティブ・フェイズドアレイ（AESA）型アンテナが装備されています。この設計によって、旧型のKJ-200で使用されていた2つの平面的な平衡ビーム型捜索レーダーよりも高い効率が実現されています。KJ-200の生産は、KJ-500が完全な作戦能力に達したことを受けて、2018年に終了しました。

派生型

KJ-500にはいくつかの派生型があります。基本型のKJ-500は空軍によって運用されています。次に、海軍航空兵が運用するKJ-500Hがあり、これも継続的に運用されています。また、空中給油用のプローブを搭載したKJ-500Aも存在しており、2018年9月に衛星画像からその存在が確認され、2020年9月には空軍に正式に就役しました。

運用状況

現在、KJ-500は中華人民共和国において運用されています。具体的には、以下の人数の機体が確認されています：

• - 中国人民解放軍空軍 - KJ-500 20機
• - 中国人民解放軍海軍航空兵 - KJ-500H 14+機

仕様

KJ-500の性能について、公開されている一部のパラメータは以下の通りです：

• - 最高速度：550 km/h
• - 航続距離：5700 km
• - 対空時間：12時間
• - 最大離陸重量：77トン
• - 戦闘機サイズの目標の探知距離：470 km

このように、KJ-500は現代の航空戦において重要な役割を果たす機体として、さらにその能力を向上させ続けています。

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