KN-02

KN-02: 北朝鮮の短距離弾道ミサイル

KN-02は北朝鮮が独自に開発した短距離[弾道ミサイル]で、アメリカ合衆国によって与えられたコードネームです。兵器の開発は旧ソ連製のOTR-21 トーチカ（SS-21 Scarab）を基にして行われており、北朝鮮の技術力が結集した一品となっています。移動式発射装置を用いることで、機動性に優れた攻撃力を持つこのミサイルは、2007年の軍事パレードで一般公開され、以来北朝鮮軍の一部として配備されています。

開発経緯

KN-02の開発は1996年にまで遡ります。当時、北朝鮮はシリアとのミサイル開発協定を通じて、ロシア製のOTR-21 トーチカを入手したと考えられており、それを基にリバースエンジニアリングを行ったとされています。2004年には試作型の発射実験を実施したものの、初回の試射は失敗に終わりました。

その後、2005年から2006年にかけて再びこのミサイルの試射が行われ、ついには2006年にOTR-21 トーチカに相当する兵器の初期配備が完了しました。KN-02は、以前に配備されていた無誘導戦術ロケットFROGの後継として位置づけられています。2007年には日本海に向けて成功した試射が報告され、射程も140kmに延伸しました。同年から2013年にかけてさらなる実験を重ね、射程は最大160kmにまで達したとされます。

技術的特徴

KN-02は1段式の短距離弾道ミサイルで、全長は6.4メートル、直径65センチメートル、重さは約2トンとされています。このミサイルは固体燃料を使用しており、発射の際には従来のスカッドミサイルよりもはるかに短時間で発射可能です。発射までの準備時間はわずか5分程度で、移動式発射車両と組み合わせることで即応性が大幅に向上しています。

KN-02は誘導装置に慣性誘導と目標照合レーダーを組み合わせており、命中精度は約100〜160メートルと推測されています。最大搭載可能な弾頭重量は500キログラムであり、弾頭の種類は高性能爆薬から核、さらには生物化学兵器まで幅広く選択可能です。また、多数の子爆弾を搭載できる形式で運用されることで、戦術的な用途にも柔軟に応じられると考えられています。

まとめ

このように、KN-02は短距離弾道ミサイルとして北朝鮮の軍事力の象徴ともいえる存在です。移動式発射車両と短時間発射の組み合わせにより、高い即応性と戦術的な運用が可能です。その和平を脅かす特性から、国際社会においても注目されています。今後の北朝鮮のミサイル開発動向とその影響について、引き続き見守る必要があります。

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