KNX

KNX：世界標準のホーム・ビルオートメーションシステム

KNXは、国際標準規格ISO/IEC 14543とISO 22510に準拠したホーム・ビルオートメーションシステムです。世界中で広く採用されており、その相互運用性と信頼性の高さから、スマートビルディングの構築に最適なソリューションとして注目されています。ベルギーのブリュッセルに本部を置くKNX Association cvbaが商標を管理しています。

KNXの特長

KNXシステムの最大の特徴は、その高い相互接続性、統一されたツール、そして長期的な上位互換性です。

抜群の相互接続性

2022年現在、世界中の約500社ものメーカーが8,000種類以上のKNX認定製品を製造・販売しています。KNXの規格に則って開発された製品であれば、メーカーを問わず互換性があり、シームレスに連携して動作します。異なるメーカーの機器を組み合わせたシステム構築も容易に行えます。

統一された設定ツール：ETS

KNXシステムの設定やコミッショニングには、メーカーを問わずETS（Engineering Tool Software）という統一されたソフトウェアが使用されます。ETSを習得すれば、あらゆるKNX機器の設定やシステム構築に対応できます。世界中に500以上の認定トレーニングセンターがあり、KNX技術とETSの使用方法に関するトレーニングを提供しています。これまでに10万人以上のインテグレータが認定資格を取得しています。

揺るぎない上位互換性

KNXは、最新の技術を取り入れながら、30年前の規格制定以来、上位互換性を維持してきました。古い機器と新しい機器を組み合わせたシステム構築も可能です。この上位互換性は、長期的なシステム運用におけるコスト削減や柔軟性向上に大きく貢献します。

ハードウェアプラットフォーム非依存

KNXは特定のハードウェアプラットフォームに依存しません。8ビットマイクロコントローラからパーソナルコンピュータまで、様々なハードウェアで実装可能です。この柔軟性により、幅広いアプリケーションに対応できます。

KNXの構成モード

KNX機器は、大きく分けてE-mode（Easy mode）とS-mode（System mode）の2つのモードがあります。

E-mode（Easy mode）

E-modeは、比較的容易に設置できるモードです。基本的なトレーニングで設置できますが、ユーザーの環境に合わせてパラメータ設定を行う必要があります。

S-mode（System mode）

S-modeは、インテリジェントビルディングに実装される複雑なシステム構築を想定したモードです。個々のビルの環境に合わせて高度なプログラミングが必要となります。

日本におけるKNX

日本でもKNXの採用は増加傾向にあります。2014年に設立された日本KNX協会は、KNXの普及啓蒙活動に尽力しています。

まとめ

KNXは、その高い相互運用性、統一されたツール、そして将来を見据えた上位互換性から、スマートビルディングやホームオートメーションシステム構築において最適な選択肢と言えます。世界中で培われた実績と信頼性を背景に、KNXはこれからもスマート社会の実現に貢献し続けるでしょう。

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