KPN

KPN：オランダを代表する電気通信事業者の歩み

KPN（Koninklijke KPN N.V.、ロイヤルKPN N.V.）は、オランダ・ロッテルダムに本社を置く、同国最大の電気通信事業者です。ユーロネクスト・アムステルダム証券取引所に上場しており、長年に渡りオランダの通信インフラを支える存在として、重要な役割を担ってきました。

国営企業から民営化へ

KPNの歴史は古く、かつてはStaatsbedrijf der Posterijen, Telegrafie en Telefonie（国営郵政電信電話会社）、略称PTTとして知られるオランダの国営企業でした。郵便事業も傘下に収めていた時代もありましたが、1994年から段階的な民営化が進められ、2006年には政府の株式保有は完全に解消されました。この民営化は、オランダの通信市場の自由化と競争促進に大きく貢献しました。

国際展開と事業統合

民営化後、KPNは積極的な事業展開を行いました。ベルギーの通信会社との合併を目指したこともありましたが、実現には至りませんでした。日本企業との繋がりもあり、NTTドコモはかつてKPN Mobile NVの株式を保有していました。また、アメリカ企業との合弁会社KPNQwestを設立しましたが、インターネットバブル崩壊の影響を受け、事業は頓挫しました。その後、ジェトロニクスを買収し、企業規模を拡大しましたが、その後不要な部門は売却しました。2018年には、本社をデン・ハーグからロッテルダムに移転しています。

多様なサービス提供

KPNは、固定電話回線（630万回線以上）、モバイル通信、インターネット接続サービスなど、多様な通信サービスを提供しています。固定回線サービスでは、高品質な通信インフラを提供し、多くの家庭や企業に利用されています。モバイル通信では、自社ブランドに加え、MVNO（仮想移動体通信事業者）としてSimyo、Ortel Mobileなどのブランドを運営し、幅広い顧客層に対応しています。さらに、ISP（インターネットサービスプロバイダ）としてXS4ALLブランドを展開、ブロードバンド市場においても重要なプレーヤーとなっています。小売店チェーンKPN Wintelも運営し、顧客へのサービス提供体制を強化しています。

国際事業からの撤退

KPNは、かつてドイツ、ベルギー、スペイン、フランスなど、オランダ国外でも通信事業を展開していました。しかし、2010年代までにこれらの事業は全て売却され、現在はオランダ国内市場に注力しています。ベルギーではBASEという子会社が携帯電話市場で存在感を示していましたが、現在は売却されています。ドイツではE-Plusが主要な子会社でしたが、こちらも売却されました。スペインとフランスでは、MVNOとしてサービスを提供していました。

現在の事業と将来展望

現在、KPNはオランダ国内の通信市場における主要プレイヤーとして、競争の激しい市場で確固たる地位を築いています。固定電話、モバイル通信、インターネット接続サービスに加え、ICTサービスなども提供し、多角的な事業展開を行っています。今後、5Gなどの次世代通信技術の導入や、デジタル化社会における新たなサービスの開発など、様々な課題と可能性に直面するでしょう。オランダの通信インフラを支えるリーディングカンパニーとして、KPNの今後の動向に注目が集まります。

脚注

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出典

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外部リンク

コーポレートサイト（英語）（オランダ語）
一般利用者向けウェブサイト（オランダ語）
KPN (kpn) - Facebook（オランダ語）
KPN (@kpn) - X（旧Twitter）（オランダ語）
* KPN - YouTubeチャンネル（オランダ語）

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