KT (映画)

映画『KT』解説

『KT』は、2002年に公開された日本と韓国の合作映画であり、1973年に発生した金大中事件を題材としています。中薗英助のノンフィクション作品『拉致-知られざる金大中事件』を原作とし、事件の真相に迫る政治サスペンス作品です。阪本順治が監督を務め、荒井晴彦が脚本を担当しました。

あらすじ

1971年の韓国大統領選挙で、辛うじて三選を果たした朴正煕大統領。しかし、野党候補であった金大中は、朴大統領にとって大きな脅威となります。金大中が日本に滞在中、朴大統領は非常戒厳令を घोषणाし、反対勢力の弾圧を開始。金大中と韓国当局との間で、追跡劇が繰り広げられます。

スタッフ

監督: 阪本順治
プロデューサー: 椎井友紀子
アソシエイトプロデューサー: 石原仁美
原作: 中薗英助
脚本: 荒井晴彦
撮影: 笠松則通
美術: 原田満生
音楽監督: 布袋寅泰

キャスト

佐藤浩市
香川照之

評価

『KT』は、「史上初の日韓同時公開」と宣伝されましたが、韓国では興行的に失敗し、早期に上映が打ち切られました。しかし、映画の内容は高く評価され、国内外の映画祭で数々の賞を受賞しています。

第12回日本[[映画]]プロフェッショナル大賞 ベスト10 - 2位
2002年度 第12回日本[[映画]]批評家大賞 作品賞
2002年 第45回ブルーリボン賞 主演男優賞 佐藤浩市
2002年度 第76回キネマ旬報 日本[[映画]]ベスト・テン 3位
* 2002年度 第15回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞 助演男優賞 香川照之

映画の特徴

事件の背景

映画は、金大中事件という歴史的な事件を背景に、政治的な陰謀と権力闘争を描いています。朴正煕大統領による強権的な政治体制や、金大中氏の民主化運動への献身などが、映画を通じて描かれています。

日韓合作

日韓合作映画である本作は、両国の映画製作スタッフが協力して制作されました。文化や歴史認識の違いを乗り越え、一つの作品を作り上げる過程は、映画製作の新たな可能性を示唆しています。

実力派俳優の演技

佐藤浩市、香川照之など、日本を代表する実力派俳優が出演し、迫真の演技を披露しています。登場人物の心理描写や、緊迫感あふれるシーンなど、俳優たちの演技によって映画のリアリティが増しています。

まとめ

映画『KT』は、金大中事件を題材にした政治サスペンスであり、歴史的な背景や政治的な陰謀、人間の葛藤を描いた作品です。日韓合作映画としても注目され、実力派俳優たちの演技も見どころです。政治や歴史に興味のある方にとっては、見逃せない作品と言えるでしょう。

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