KUBO/クボ 二本の弦の秘密

KUBO/クボ 二本の弦の秘密



2016年に公開された『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は、トラヴィス・ナイトが制作・監督を務める初の長編作品であり、アメリカのライカが手掛けた3Dストップモーション・アニメーション映画です。この作品は日本の封建時代を舞台にし、魔法の三味線を使って繰り広げられる冒険物語が描かれています。

映画の主なキャラクターである少年、クボは、作中で声優のアート・パーキンソンが担当。彼は右目を失い、母と二人三脚で共同生活を送る中、神秘的な物語を語りながら生計を立てています。クボが操る三味線は、彼の物語を彩る重要な要素であり、特に折り紙が動く様子は視覚的に楽しませてくれます。また、声優陣にはシャーリーズ・セロンレイフ・ファインズなどが名を連ねており、各キャラクターに迫真の演技が与えられています。

あらすじ



物語の舞台は、崖の洞穴に住むクボと彼の母、サリアツの元から始まります。クボは村で人気者となり、侍・ハンゾウの物語を語り生計を立てていますが、物語の結末は母との約束で語られることがありません。しかし、ある晩お盆の祭り中に、母の妹である邪悪な姉妹が現れ、残された右目を月の帝に捧げるよう命じます。その危機に母は魔法で自らを犠牲にし、クボに父の刀と鎧、兜を探す使命を託けます。

母の魔法を受けて、クボはサルの姿をした母の人形とともに旅路に出ます。その途中、記憶を失った侍・クワガタとも出会い、厳しい冒険を経ながらクボは秘宝を手に入れていきます。特に刀はがしゃどくろとの壮絶な戦いで、鎧は水中妖怪との対決で手に入れるなど、彼らの絆が深まる様子が描かれています。

クボは母の魔法が切れる前に全ての秘宝を手に入れ、故郷の村で月の帝との対决に挑みます。月の帝はクボの右目を求め、苦しみのない永遠の生命を提案するものの、クボは愛と記憶を尊ぶ心を持ち続けています。最後に母の髪の毛、父の弓弦、自らの髪を使って奏でた三味線の音楽が、月の帝を記憶を失った老人に変えます。

制作と評価



製作にあたって、ナイトは日本文化を深く理解し、美術デザインには水墨画折り紙が用いられ、アニメーション全体を動く木版画のように表現しています。大規模なパペット制作や綿密な撮影方法が特色となり、その成果が特に高く評価されています。

アメリカでは、高評価を受け、Rotten Tomatoesでは97%の支持率を記録。また、アカデミー賞にもノミネートされ、特殊効果部門では『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』以来の再現が話題となりました。

結論



『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は、アニメーションの枠を超えた深いストーリー性と魅力的なキャラクターが多数登場し、視覚的にも心に響く映画として、多くの世代に愛される作品となっているのです。

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