KUSU KUSU

KUSU KUSU：80～90年代を駆け抜けた、日本の音楽シーンを彩ったバンド

KUSU KUSU（くすくす）は、1980年代後半から1990年代にかけて活躍した日本の音楽バンドです。北海道出身の次郎（ボーカル）、MU（ギター）、SAY（ベース）、まこと（ドラム）の4人によって、1988年3月に結成されました。10代の若者たちが東京で夢を追い求めた、その熱気に満ちたストーリーは、日本の音楽史に鮮やかな足跡を残しました。

下北沢から武道館へ：地道な活動から掴んだ成功

結成後、KUSU KUSUは下北沢のライブハウス「屋根裏」で初ライブを開催。その後は、歩行者天国でのストリートライブや大学祭、人気バンドのオープニングアクトなど、様々な場所で経験を積み重ねました。地道な活動は、彼らの音楽性を磨くとともに、着実にファンを増やしていきました。

1989年、転機が訪れます。テレビ番組『三宅裕司のいかすバンド天国』（イカ天）への出演です。彼らが考案したキャッチフレーズ『光の国の子供（GA-KI）達』と共に演奏した楽曲「オレンヂバナナ」は、大きな反響を呼びました。「在宅審査員賞」と「チャレンジャー賞」を受賞し、当時イカ天を席巻していたFLYING KIDSとの対決では惜しくも敗れましたが、その存在感を強烈に印象づけました。

イカ天出演をきっかけに人気は急上昇し、『イカ天』内のコーナー『アマチュアバンドベスト10』では10週連続1位を獲得。初のワンマンライブは5月5日に開催され、5月7日の歩行者天国ライブでは1000人を動員するほどの人気を博しました。同年10月には、インディーズアルバム『光の国の子供達』をリリースし、オリコンアルバムチャートで最高12位を記録する快挙を成し遂げました。

メジャーデビューと武道館公演：新たなステージへ

1990年、KUSU KUSUはポリスターと契約し、シングル「世界が一番幸せな日」でメジャーデビュー。同名タイトルのアルバムも同時リリースされました。そして同年9月、日本武道館で『日本全国踊り巡りツアー』のファイナルライブ『日本列島踊り締め』を開催。大舞台での成功は、彼らが日本の音楽シーンの中心へと躍り出たことを示す象徴的な出来事となりました。さらに同年末には、FM東京主催の『ライオンリスナーズグランプリ』でグランプリを獲得し、その実力を改めて世間に知らしめました。

1991年には、テレビアニメ『らんま1/2|らんま1_2 熱闘編』のオープニングテーマとなった「地球オーケストラ」をリリース。アニメの主題歌として、より広い世代にその名を広めました。

冬眠からの復活ライブ：音楽への情熱

1994年、KUSU KUSUは活動を休止します。“冬眠”と称された活動休止後、メンバーはそれぞれの道を歩み始めます。次郎とまことによる新バンドMUITO BONITOの結成、SAYのオレンジズへの加入など、音楽活動を継続しました。しかし、KUSU KUSUへの想いは消えることはありませんでした。2000年と2001年には一日限りの復活ライブを開催。2009年には次郎とまことの2人で復活ライブを行い、再びファンを熱狂させました。

ディスコグラフィー：多彩な音楽性

KUSU KUSUは、数多くのシングル、アルバム、ビデオ作品を発表しました。インディーズ時代からメジャーデビュー後まで、彼らの音楽性は多様で、ポップでキャッチーな楽曲から、エネルギッシュでロック色が強い楽曲まで幅広く展開されています。それぞれの楽曲が、彼らの音楽人生を彩る重要なピースとなっています。

KUSU KUSUの遺産：音楽シーンへの影響

KUSU KUSUは、1980～90年代の日本の音楽シーンに多大な影響を与えたバンドの一つです。彼らの音楽、パフォーマンス、そして活動そのものが、多くの音楽ファンに勇気と感動を与え続けました。そして、彼らの音楽は、現在も多くのリスナーの心に響き続けています。

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