K/BB

K/BB（Strikeout to Walk ratio）は、野球において投手の制球力を評価するために用いられる指標の一つです。奪三振数（K: Strikeout）を与四球数（BB: Base on Balls）で割った値であり、この比率が高いほど、投手がストライクを効果的に投げ、無駄なランナーを出しにくいことを示唆します。

K/BBの意義

奪三振と与四球は、守備や球場の影響を受けにくい要素であるため、K/BBは投手の純粋な能力、特に制球力を反映していると考えられています。一般的に、K/BBが2.00を下回ることは少ないとされ、3.50を超える場合は優秀な投手と評価されることが多いです。

DIPSとの関係

DIPS（Defense Independent Pitching Statistics）の評価において、奪三振と与四球の損益分岐点はK/BB＝1.50とされています。したがって、K/BBが1.50を下回ると、FIP（Fielding Independent Pitching）などの指標が悪化しやすくなります。これは、K/BBが低いと、自責点が増加するリスクが高まることを意味します。

K/BBの注意点

K/BBには、分母である与四球が少ない場合に極端な数字になりやすいという欠点があります。例えば、奪三振が多くても与四球が極端に少ない場合、K/BBは非常に高くなりますが、必ずしも投手の実力を正確に反映しているとは限りません。

K-BB%の活用

この欠点を補うために、K-BB%（奪三振率 - 与四球率）が用いられることがあります。K-BB%は、対戦打者のうち何%から三振を奪ったかを示すK%（奪三振÷対戦打者）と、対戦打者のうち何%に四球を与えたかを示すBB%（与四球÷対戦打者）の差分を取ったものです。K-BB%は、投手がどれだけ打者を圧倒しているかを示す指標であり、K/BBの偏りを補正し、より正確な投手の能力評価を可能にします。

K-BB%が優れている投手は、そのパフォーマンスが継続する傾向にあり、将来の活躍度合いを予測するためにも役立つとされています。

まとめ

K/BBは、投手の制球力を測る上で有用な指標ですが、その特性を理解し、K-BB%などの他の指標と組み合わせて評価することで、より多角的に投手の能力を把握することができます。優れた投手を見極める上で、K/BBは欠かせない指標の一つと言えるでしょう。

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