Ka na ta

Ka na ta

概要

Ka na ta（かなた）は、日本のデザイナー加藤哲朗が創設したファッションブランドです。自らの身体にフィットする服を制作するという理念に基づき、特定のスタイルや個性を強めることなく、あくまでも「身体のために」服を作ることを信条としています。加藤が提唱するブランドのコンセプトは、身体を積極的に尊重することであり、単なる衣服の生産以上の意義を持たせています。

ブランド名の由来

「Ka na ta」という名称は、平仮名一文字一文字に古来からの意味が込められています。具体的には、

• - Ka「か」は「あなた」
• - na「な」は「視覚」や「見ること」
• - ta「た」は「時間的空間的方向性」

これらを結び合わせると、Ka na taは「あなたが見ている時間的空間的方向性」という意味を持つことになります。加藤は、このブランド名が彼の創作物に対する呼称ではなく、むしろそれらを纏う身体や、その身体が向き合う何かについての呼称であるとしています。

メディア露出と支持者

加藤のブランドは、特にファッション雑誌などに取り上げられることが少なく、そのため多くの人々に知られていませんが、多くのミュージシャンやアーティストに支持されています。クラムボンのライブ衣装をはじめ、大橋トリオ、テニスコーツ、青葉市子、川上洋平（Alexandros）など、多彩なアーティストたちがこのブランドの服を愛用しています。また、小山田壮平のグッズTシャツのデザインも手掛けています。さらに、奥山由之の写真集『As the Call, So the Echo』では、加藤の日々の生活や仕事のスタイルが垣間見えます。

ブランドの沿革

創業
Ka na taは2005年11月3日に設立され、初めてのコレクションが2009年春夏で発表されました。このコレクションでは映像作品も紹介されました。

東京コレクション参加
2010年に新宿高島屋でファッションショーとインスタレーションを実施し、東京コレクションに参加しました。特に印象的なイベントは、2010年のコレクションで、短編小説が配布されたことです。この小説に登場する人物が着用する服がオーダーできる内容であり、これにより全てのセレクトショップとの取引が終了した背景があります。

長野への拠点移転
恵比寿でのコレクションを経て、2013年に長野市信州新町にアトリエを設立しました。この移転により、地域性を意識した新たなスタイルを模索しています。

直営店の開店
東京・渋谷区富ヶ谷に直営店を開店し、最初は予約制・非公開の形式で運営しました。来店のお客様が落ち着いて身体と向き合える環境を作るための配慮です。現在では住所が公開されており、誰でも訪れることが可能となっています。

ショーや新レーベルの展開

Ka na taは独自のショーやイベントを数多く開催し、2014年にはプールでのファッションショーを実施しました。また、2018年からは「NOT by Ka na ta」という新たなレーベルを立ち上げ、過去の作品から選んだ身体に良い要素を再構築して作り直しています。

デザイナーについて

デザイナー加藤哲朗は、1984年生まれで早稲田大学に在籍中、自ら服作りを学びました。彼はファッションデザインだけでなく、エッセイも手がけ、作品を通じて身体と向き合うスタンスを貫いています。

まとめ

Ka na taは、身体を重視した服作りを追求するブランドであり、その名の通り、人と時間、空間を意識した独特のスタイルを提案し続けています。多くのアーティストやファンに支持されているこのブランドは、今後の展開にも大いに期待が寄せられています。

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